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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 1

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亡国の英雄と赤き竜

ローラ、リナ、ジャンヌの三人での生活が始まりました

地下の謎はどうしようもないので放置中

三階の魔法陣も同じく放置中

気にせずつつがなくまったりと過ごす日常が続きます


ローラは天気の良い日は森をお散歩します

ジャンヌのおかげで安心してお散歩できます


リナは掃除洗濯炊事と家事三昧

結界がなくなって庭が普通に汚れます

テーブルや椅子を掃除したり庭掃除も頑張ります

館は聖魔力が常に流れているため汚れません


ジャンヌは定期的に飛び回ります

魔物や魔獣に赤き竜の存在を見せつけていきます

また大陸全体を把握することにもなります

得た情報を二人にも報告します


「結構広いが他の大陸とあまり変わらない広さだ」

「やはり国や街などはないようですね」

「なかったぞ」


「この大陸に辿り着いている人はいませんでしたか?」

「見当たらなかったぞ」


「隠れているのかも知れませんわね」

「そうですね、ジャンヌさんを見つけて隠れているのかも」

「なんでだ?」


「ドラゴンを見て近寄ってくる人はいませんよ」

「ローラたちは我に近寄ったではないか」

「弱っていたからですわ」

「元気だったら近寄らなかったでしょうね」

「弱っててよかった♪ あれ? 良かったのかな?」


恐らく元気であってもローラは近寄ったことでしょう

恐れ知らずの天然娘ですから


「ですが今後辿り着く方もいらっしゃるかも知れません」

「ジャンヌさん、これからも巡回をお願いします」

「任せろ二人とも♪」


そんなこんなで日々が過ぎていきます




そんな会話の数日前のこと

大陸の北西あたりの海岸に一人の男が打ち上げられていました


「うぅ・・・」


男は気がつきます


「ここは、どこだ?」


座ったまま周囲を見渡します

少しボーッとしていましたがすぐに思考がクリアになります


「船が嵐で大破して海に投げ出されて気を失ったのか

 運良くここに流されたようだな」


男は自身の身体を確認します


「どうやら骨折も大きな怪我もないようだ

 荷物は海にさらわれてしまったからこの身一つだがな」


男は立ち上がる


銀髪茶眼のロマンスグレー、男の名はシュナイダー

74歳と高齢だが長身で背筋もまっすぐである

さすがは亡国の英雄である


(死ななかったのは妻と娘がまだ生きろと言っているのかもな)


殺された妻と娘を想い(うれ)うシュナイダー


「ならば生き抜き、どこまでも死に抗ってやろう

 まずは周辺の探索だな」


海岸からすぐのところから大森林になっています

森の中へ入っていき食料になりそうなものを探す

焚き木になりそうな枝も拾い集める


「ナイフぐらいは残っていて欲しかったな」


海岸へ戻って太い枝などは手刀で折ったり切ったりする

道具として使えそうな石を海岸沿いを歩いて探す


「・・・これは」


シュナイダーは一つの袋を拾い上げる

両手で大事そうに抱えて膝をつき座り込む

そして涙が頬をつたう


「パティ、ティア、やはり君たちのおかげなんだね

 私がこうして生きているのは君たちの願いなんだね」


ボロボロと涙を流し顔をクシャクシャにする


その袋はシュナイダーが大事にしていたアイテム袋

いや大事な物をしまっているアイテム袋だ


中には愛用の武具や必要であろう物がいくつか入っている

なにより命と同等の大事な形見の髪の束が二本入っている

妻と娘の髪の束だ


「生きよう、君たちのために、君たちの分も」


今度こそなくさないようにと腰にしっかりと取り付けます

アイテム袋からナイフを取り出します


「道具もある、これで生存率は上がった」


シュナイダーは森の中へ再び入ります

今度は獲物がいないか探します


あちこち確認して魔物と魔獣が多いことを知ります


「ふむ、Cランク以上、Sランク以下といったところか」


元Sランク冒険者で英雄だったシュナイダー

彼の脅威になり得る魔物と魔獣はいないようです




数日が過ぎたある日のこと

今日の食事のために森の中で狩りをしていたシュナイダー


「何だアレは」


空高く飛んでいる赤い身体のドラゴンを見かける

そう、赤き竜ジャンヌである


瞬時に気配を消して姿を隠すシュナイダー


(ドラゴンだと? Zランクではないか)


Sランクの上にSSランクとSSSランクがあります

さらにその上がZランク、神話級と呼ばれています


シュナイダーは元Sランクですが実力的にはSSSランクです

昇級する前に国が亡くなって更新できなかったのです

その上のZランクなのでさすがにシュナイダーも隠れます


(ドラゴンまでいるのかこの大陸は、やばいな)


ドラゴンに見つからないように心がけることにしました

ドラゴンは気まぐれに人を襲い喰らうと言われています

これは生態をよく知らない人間の勝手な伝承です

シュナイダーもそういう伝承しか知りません




「それじゃあ今日も巡回してくるぞ」

「お願いしますジャンヌさん」

「お昼には帰って来て下さいね」

「任せろ二人とも♪」


ジャンヌは今日も巡回です

昼食前と夕食前には戻ってきます


飛ぶ方向は毎回適当です

それなりに広い大陸なので一日で全部は回れません

なので毎日違うルートを飛んでいます


「何か見つかるかなあ」


適当に悠々と飛ぶジャンヌ

遠目にワイバーンが小さく見えます


「お土産に捕まえていこうかな

 ローラがワイバーンのステーキ好きだし」


そう考えた瞬間、ワイバーンの背に何かが乗ったのが見えました

すると突然ワイバーンの首が斬れて落下しました


「何だ? 我は何もしていないぞ?」


スピードアップして落下地点へ急ぎます

そこにはワイバーンを解体中の男が一人

しまったと男はジャンヌに気づきます


シュナイダーとジャンヌ

亡国の英雄と赤き竜の邂逅である

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