さよなら結界
この大陸が大暴風雨に囲まれていることがわかりました
ですがジャンヌ一人だけなら脱出できます
しかしジャンヌは二人とここに残ることにしました
友達を見捨てることができないジャンヌでした
ローラとリナに案内されて館へ飛びます
「着いたぞ」
館が見える近くの場所に下ります
「ここからは人化だな」
ジャンヌは人化します
服はさっき破け散ったのでもちろん全裸
のはずが白いシーツをまとっていました
「あれ? なんだこれ」
ジャンヌは不思議がります
「館に入って部屋で服に着替えて下さい」
「リナ?」
前方にいたリナがいつの間にか後ろにいました
「すごいわね家事職人というのは」
ローラが感嘆する
家事職人のお世話スキルの一つ<着付け>
衣類の着脱を瞬時に行うスキルです
ジャンヌが人化した瞬間、アイテム袋からシーツを取り出す
そのままジャンヌへダッシュで近づきシーツをまとわせる
この一連の動作を一秒で行いました
「ほわ~、すごいなリナ
これが攻撃だったらかわせなかったぞ」
躱せなくてもジャンヌにダメージはなかったであろう
それでもジャンヌもローラ同様感嘆する
「今後は衣類を脱いでからドラゴンに戻って下さいね」
「とりあえず気をつけるぞ」
「とりあえずではなく絶対にです!」
「恐いぞリナ」
最早相手がドラゴンでもお構いなしに怒るリナでした
全裸などというはしたなさが許せないようです
「まあまあリナ、服なら私がたくさん持っていますから」
「わたしとローラ様はサイズがほぼ同じなので構いません
ですがジャンヌさんとはサイズが違います」
「たしかにそうですわね」
「それに持っている衣類が全滅するかも知れません
アイテム袋に衣類はどのぐらい残っていますか?」
アイテム袋を確認するジャンヌ
「100着ほどかな」
「それらすべてなくなったらお終いです
新たに買い足すことがここではできません
ですので衣類は大事にして下さい」
「わかったのだ、だから怒らないでくれリナ、恐いぞ」
ローラがふと思いつく
「家事職人のスキルでなんとかなるのではなくて?」
「ローラ様?」
ローラには<時短>の使い方を指摘されたことがあります
リナは今回も自身が視野を狭くしているのかもと素直に聞きます
「たしか<手直し>という裁縫スキルがありましたよね」
「ここに来て使ったことがなかったので失念していました
ローラ様とはサイズがほぼ同じなのでそのまま着ていましたし
たしかに<手直し>でサイズ調整をすればいけますね」
家事職人の裁縫スキルの一つ<手直し>
言葉どおり衣類のリメイク、リフォーム、リペアをするスキル
「そうか、なら破けても問題ないな♪」
「破かないようにして下さいっ!」
「だから恐いって」
ポンポン破きまくれば結局布不足になります
資源は大切にしましょう
「ではそろそろ館へ参りましょう」
「はい」
「行くのだ♪」
庭が見えてきます
ローラが敷地に入ります
続いてリナも入ります
続けてジャンヌも入ろうとします
バチンッ! 「あいたっ!」
ジャンヌが弾かれて入れません
「なんで我だけ入れないのだ?」
「そうでしたわ、結界があったのでした」
「結界?」
「魔物と魔獣を敷地内に入れないようにする結界です」
「我は魔物でも魔獣でもないぞ」
「でも結界は魔物もしくは魔獣と判断したのでしょう」
「がーーーん!」
魔物や魔獣と同列にされたことにショックを受けるジャンヌ
「これではジャンヌさんが中に入れませんわね」
「どうしましょうローラ様」
「もう我は野宿でいいよ」
「ですが・・・」
少し寂しそうなジャンヌを見て悩むリナ
「仕方がありませんね」
ローラが結界に近づきます
「ローラ様、どうするのですか?」
「こうするのです」
ローラは結界に手をあてる
そして歌い出す
『こーんなけっかいじゃまですよー♪
ともだちよべなくなるじゃないー♪
だーからさっさときえちゃってー♪
これまでまもってくれてありがとうー♪
それではさよなら、はい!きえたー♪』
バシュッ!
敷地を囲っていた結界が消滅する
「ローラの魔法はすごいがやっぱり変だぞ」
「詠唱って絶対こんなのじゃないと思います」
「二人ともひどいわね」
結界がなくなったのでジャンヌは敷地に入れました
「でも結界がないと魔物や魔獣が入ってきますよ」
「我のせいだからな、我に任せろ」
ジャンヌはシーツを脱ぎ捨てドラゴンに戻る
ジャンヌは変化解除の前に脱ぐことを覚えた
「二人は耳をふさいでろ」
察したローラがリナと自身を結界で覆う
それを確認してジャンヌは周辺に咆哮を轟かせる
木々が激しく揺れる、突風が森の中を駆け巡る
範囲内にいた魔物と魔獣はジャンヌの咆哮に怯む
そして必死に範囲内から逃げ出していった
「我の縄張りとして認知させた
これで奴らは近寄ってこないぞ♪」
「ありがとうございますジャンヌさん」
「感謝しますわジャンヌさん」
「定期的に周辺を散歩がてら飛んでおく
遠くの奴らにも我がいることを周知させないとな」
結界はなくなりましたが守護竜が爆誕しました
この敷地は<赤き竜に守られし土地>となりましたとさ




