表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/103

大暴風雨

人化した赤き竜ジャンヌはすっぽんぽんだった


「あらあら、裸なのですね」

「なんで服を着ていないのですか!」


「ドラゴンは常に裸なのだ!」 ドヤ顔


全裸仁王立ちでドヤるジャンヌ


「服を着なさいっ!」


もはやドラゴンへの恐れなど吹き飛んで怒るリナ


「リナ、服を持っていないのかも知れなくてよ」

「あ、そうですよね、すみませんジャンヌさん」


「持ってるぞ」

「なら着なさいっ!」


「リナ恐いぞ、えっとどこいったっけ」


寝そべっていたあたりをゴソゴソ探し出すジャンヌ

そして小さな袋を見つけ出す


「アイテム袋ですか?」

「この中の中に服があるんだ」

「中の中?」


アイテム袋からボロボロの汚れまくった袋を取り出す


「もしかしてそれもアイテム袋なのかしら」

「そうだぞ」


「なぜアイテム袋にアイテム袋を入れているのですか

 それに古くてボロボロじゃないですか、汚いし」


リナの言葉に少し寂しそうな顔をするジャンヌ


「これのことをあまり悪く言わないでくれリナ

 これは初めての友達から貰った初めての贈り物なのだ

 大事な物だから別の袋に入れているのだ」


初めての人間の友達、ヘンリーからの贈り物である

衣類など必要な物を入れてくれたアイテム袋

すでにジャンヌ自身が入れたものしか残っていない

それでもジャンヌにとっては大事な宝物である


「・・・ごめんなさいジャンヌさん」


リナはジャンヌの気持ちを汲み取って謝罪する


「実際汚いけどな♪ でも大事なんだ」

「はい」


ジャンヌは服を取り出し着る


「ジャンヌさんは別の大陸から飛んでこの大陸へ来たのですよね」

「そうだぞ」


ローラは少し思案する


「でしたら私たちを乗せてこの大陸から出ることは可能では?」

「なるほど、人のいる大陸へ行ければなんとかなりますね」

「それは多分ムリだぞ」


「あら、この大陸へ来れたのなら逆も可能なのでは?」

「もしかしてまだ体調が悪いのでしょうか」

「ローラのおかげでバッチリだ」


「ではなぜですか?」

「うーん、見せた方が早いかな」


三人は洞穴から出ます

そしてジャンヌはまたドラゴンに戻ります

もちろん服は弾け飛びました


「あの、戻る前に脱いだらいいのでは」

「つい忘れてしまうんだ♪」


もう呆れるしかないリナだった


「それじゃあ行くぞ」

「あらあら」

「え? きやあっ!」


ジャンヌは足で二人を掴んで飛びます


「あらあら♪」

「ひいぃっ!」


楽しそうなローラと絶叫するリナ


大陸の外周まで来ると大海原が見えます


「この海を越えた先に他の大陸があるのですよね」


ぐったりしながらも聞くリナ

少しだけ慣れてきたようです


「そうだぞ」

「少々遠くてもジャンヌさんなら行けるのでは?」

「体調も良さそうですし、なぜ無理なのでしょうか」


「問題はこの先にある」


ジャンヌは大海原へ飛び出す

進むにつれて徐々に遠目でも見えてくる


大雨が降り、風が暴れて、雷が乱れる大暴風雨


「これは、凄まじいですわね」

「なにこれ」


ローラとリナは驚愕する


「ここではなく暴風雨のないところを迂回すればいいのでは?」

「ムリだぞ、この大暴風雨が大陸の外周すべてを囲んでいる」

「そんな・・・」


この大陸を閉じ込める結界のようなものである


「ですがジャンヌさんはこれを抜けてきたのですよね」

「そうですよ、なら行けるのではないですか?」


「二人を抱えてこれを突っ切るのはムリだぞ

 我は雷に耐えられるが二人はムリだろ?

 それに雨で掴んでいる足が滑るかも知れない

 二人を気遣いながら飛ぶのは難しいぞ」


二人に雷が当たらないようにするのは難しい

二人を掴んでいるから強風の中をバランスよく飛べない

雨で滑らないようにするのも至難である


「たしかにそうですわね」


「ならジャンヌさん一人なら行けますよね

 そこで助けを求めてはいただけませんか」


「ごめんなリナ、それもムリだ」

「なぜですか?」


「他の大陸へ行けたとしてもこの大陸の場所がわからない

 この大陸の名前もわからないしな」


「名前とかわからなくても場所はわかりますでしょう?

 飛んできた方向とか大まかな距離などで」


「この嵐の中を行くんだ、風の影響でまっすぐ進めない

 それに必死で突き進むから距離とか悠長に測ってられない

 だからここへの距離も方角もわからなくなってるはずだ」


リナはもう何も言えなくなりました


「ごめんなリナ」

「・・・いえ、私の方こそわがままを言ってすみません」


すまなそうに謝るジャンヌ

リナも脱出を焦っていたことに謝罪する


「それならばジャンヌさんだけ脱出して下さいませ」

「ローラ?」


「私たちはこの大暴風雨を突破できませんから仕方がありません

 ですがジャンヌさんだけなら可能なのでしょう?」


「そうですね、ジャンヌさんだけでも行って下さい」

「二人ともありがとう」


ジャンヌは踵を返して大陸へ戻る


「私たちを元の場所へ送って下さるのですね」

「ありがとうございます」


「違うぞ、我も二人と一緒に館とやらへ帰るのだぞ」

「あら、どうしてですの?」

「ジャンヌさんはここから出られるのですよ?」

「二人は我の友達だ」


ジャンヌは笑顔で言う


「友達を置いて自分だけ出ていかないぞ♪」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ