赤き竜ジャンヌ
ローラとリナは洞穴の中を進みます
天井部分にコウモリの群れがいました
二人が近づくと飛び去りました
さらに進むと巨大なヘビの魔物が現れました
二人を見て横穴へ逃げ込みました
魔物がたくさんいましたが逃げ出します
二人は余裕で前進していきます
「ほら、危ないことなどなかったでしょう?」
「そうですね」
(ローラ様の微笑みでなぜ逃げるのでしょうか不思議です)
「あら、これは」
「さすがにこれは危険です!」
ローラは驚きました
リナは恐くて震えます
ドラゴンが眠っていたのです
赤い身体の竜、レッドドラゴンがいました
二人は岩陰に隠れます
「引き返しましょうローラ様」
「でもドラゴンなら言葉が通じますよ」
小声で話す二人
「言葉が通じても喰われるかも知れません」
「料理スキルで切り刻めたりしませんの?」
「そういう能力ではございません!」
『・・・・・うぅ』
赤き竜がもぞりと少しだけ動き声をもらす
「ひっ、逃げましょうローラ様」
「今のは呻き声でしたわ、苦しいのかしら」
「ドラゴンの心配をしている場合じゃないです!」
「駄目よ、苦しんでいるなら助けてあげなくては」
「ええっ!?」
ローラはこれまで身分種族に関係なく癒して救ってきました
相手がドラゴンでも苦しんでいたら救いの手を差し伸べます
それが聖王女ローラ・ルーラなのです
「ドラゴンさん、どうしたのですか?」
「ロ、ローラ様っ!」
ローラは平然と赤き竜へ近づきます
リナは慌てますが恐くて動けません
『・・・誰だ? 人間の、子供?』
赤き竜はうっすらと目を開け首をローラの方へ向ける
(この大陸にも人間がいたのか、どうしよう)
この赤き竜は極力人間と関わらないようにと思っていました
ですが向こうから来たのでは回避できません
「私はルーラ国第二王女、ローラ・ルーラと申します」
ローラはカーテシーをして挨拶をします
(国があったのか、気づかなかった、しかも王族か・・・)
赤き竜は王族というものに良い想いと悪い想いを持っていました
「ここはドラゴンさんの住処ですか?
苦しそうですがケガでもしているのでしょうか
それとも何かのご病気ですか?」
『たまたまここを見つけて休んでいるだけだ
ケガでも病気でもない、失せろ人間』
軽く威圧するがローラは微動だにしない
(本当は威圧などしたくない、けど全然恐がらないなこの子)
「あ、あの、お名前ぐらい、お、教えて下さい」
リナがローラの前に立ち震えながら赤き竜へ話しかける
恐いがローラを守らねばと身体が動いたのです
「ふう、我はジャンヌ、レッドドラゴンだ」
「わ、わたしは、リナ、です」
威圧をやめて普通に話すことにしたジャンヌ
基本的にジャンヌは人間が好きなのです
ましてや少女相手に威圧する事には抵抗がありました
立ち去りそうにないので話をすることにします
「ジャンヌさん、いつからここへ?」
威圧感がなくなったのでリナも落ち着いてきました
「さあ? ここへ来てすぐに眠ったから時間がわからない」
首と目だけを動かしてまわりを確認するジャンヌ
生えている草を見て少し考える
「あの草、どのぐらいで成長するかわかるか?」
生えている草をローラとリナは確認する
「わたしは植物には詳しくありませんからわかりません」
「あれはケルピー草ですわね」
「ローラ様わかるのですか?」
「あれは上級回復薬の材料の一つですから
ケルピー草は約10日から30日で成長しますわ」
「えらく期間に幅がありますね」
「生息地によって成長速度が変わりますもの
そうですね、ここなら約14日ぐらいかしら」
「14日、そうか、我は10日ほど眠っていたのか
まさかそんなに眠っていたとはな
それにまだ身体が重いし苦しい」
ジャンヌが来たときにはまだ芽が出ていた状態でした
今の成長しきった状態のケルピー草を見て経過日数を判断します
「少し休めば回復すると思ったのだがまだ辛い」
「その原因を探ってもよろしいですか?」
ローラは状態を確認させてくれとジャンヌに伺います
「・・・お前たちは我が恐くないのか?
なぜ我を助けようとしている」
「最初は恐かったですけど今は恐くありません
きちんと対話して下さいますし」
リナは正直に言う
「恐くなどありませんわ
ましてや苦しんでいる方を放ってはおけません」
ローラは毅然として言う
「おかしな奴らだな」
ジャンヌは少し微笑む
「それじゃあ診断してくれローラ」
「はい♪」
ローラは聖魔力でジャンヌの全身を診断します
(ほう、すごいなこの魔力)
「酷いですね、誰ですかこんなことをしたのは」
「何だ?」
「両翼の付け根と両足に捕縛する魔法がかかっています
これがジャンヌさんの魔力を少しずつ奪っているようです
そのために身体が重くなり苦しいのでしょう」
(全部弾き飛ばしたはずだか残滓が残っていたのか)
ジャンヌを使役しようとした魔法陣は弾き飛ばされました
ですがわずかに残滓が残っていたようです
「力が出ないから自力で取り除くことができないようだ
仕方がないな、我がこのまま衰弱死したら墓でも作ってくれ」
(もうこのまま朽ちてもいいかもな)
そう悲し気にジャンヌは思いました




