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聖王女ローラ・ルーラ

とある大陸の東部にあるルーラ国


この国の第二王女ローラ・ルーラ

平均身長よりもちょっと小さい金髪碧眼の13歳


ローラは王女であり聖女である

みんなから聖王女と呼ばれています


貴族、平民、奴隷、動物、分け隔てなく癒やしていく

優しさの大安売りをする、のほほんとした天然娘

順応性も高く、怖いもの知らずの世間知らず


ローラの治癒で救われた者は多いため人気者であった

もちろんそんな彼女を疎ましく思う者も存在する

だが人気者の彼女に手を出しにくいため無事である


あちらこちらで治癒をしまくるローラ

そんなある日、封印が解かれて魔王が復活する

あちらこちらで暴れる魔王とその配下たち

そのほんの数日後、勇者も覚醒する


王の命令で勇者は魔王討伐の準備を始める

旅立ちの前に勇者一行は登城する


「勇者ライトよ、討伐準備は整ったか」

「はい陛下」


魔法使いと賢者と戦士と武道家を仲間にしていた


「仲間に一人加えて欲しい者がいる」

「構いませんがどのような方ですか」

「我が娘、ローラ・ルーラだ」


聖王女の癒しの力があれば勇者パーティーは無敵

第一王女パール・ルーラが陛下に進言したのだ


ローラの癒しの力ならどんな重症も一瞬で治る

状態異常も部位欠損も治すことができる


「それは心強い、是非とも一緒に来ていただきたい」


こうして魔王討伐隊にローラは参加することとなった




旅が始まり魔王の居城を目指す勇者一行

仲間がケガをすればすぐに治す

状態異常になればすぐに治す

戦闘中でもガンガン治す


ローラは疲れも見せずいつも笑顔

仲間たちはそんなローラに癒されていた

ただ一人を除いて


そんな中、勇者はローラへの恋心が強くなる

王城で初めて会ったときから勇者は心を奪われていた


勇者に恋する魔法使いココはそれを快く思わない

ライトとココは同じ村の出身で幼馴染み

物心ついた頃からココはライトのことが好きなのだ


(クソ王女、忌々しい!)



魔王の居城も近くなり敵も強くなってきた

勇者一行はピンチを迎える


「ふははは、勇者といっても大したことはないな!

 貴様らはここで朽ち果てるがいい」


魔王軍幹部の一人が立ちはだかる


「くっ、このままではまずい」


焦る勇者、みんなに撤退を伝える

もちろんそう簡単には逃がせてくれない


(せめてローラ様だけでも)


勇者はローラだけでも助けようと必死になる

その想いに気づいている魔法使いが勇者に提案する


「ライト、一人だけなら転移で逃がすことができるよ」

「ココ、本当か!? ならばローラ様を頼む」


(即断なのね、そんなにクソ王女のことを)


魔法使いココは苛立ちを隠して了承する


「今から転移魔法陣でローラ様を逃がします」

「そんな、私一人だけ逃げるなどできませんわ」

「大丈夫です、みんなも順番に転移させますから」


「難しい転移魔法を何度も使えるなんてすごいですわ

 ココさんはすごい魔法使い様なのですね」


尊敬の眼差しでココを見るローラ


(本当にイラつく! こんな脳天気娘のどこがいいのよ!)


ココは転移魔法陣をローラの足元に出す


「ローラ様、永遠にさようなら♪」

「あら、転移先で会えますでしょ?」


魔法陣の光に包まれていくローラ


「二度と会うことないわよクソ王女!」

「ココさん何を?」


ココの真意を理解できないままローラは飛ばされる

魔法陣の光が消えたあとココはほくそ笑む


(わたしに転移魔法なんて使えるわけないわよバーカ)


転移魔法用の魔道具を使ったのである

ココはとある人物からその魔道具を与えられていた

その人物もローラを疎んじていてココに協力したのだ


(クソ王女は遠くの知らない場所へ行ったわ、ざまあみろ♪)


遥か遠き別の大陸、その大陸内のどこかへランダムに飛ばされる

凶悪犯罪者をこの大陸から流刑するための魔道具である

王宮で厳重に管理されている魔道具保管庫にしかない物だ


(邪魔者はいなくなったわ、これでライトはわたしのもの♡)


ココは勇者たちのところへ戻って魔王軍と戦う

そして勇者一行は命からがら撤退することができた




ローラを包んでいた光が消える


「ここはどこかしら?」


木々が立ち並ぶ森の中にローラは立っていた

あたりを見回すと拓けた場所を発見する

そこには庭付きの教会に似た洋館が建っていた


「もしかして知らない場所へ飛ばされたのでしょうか?」


数秒だけ困ってすぐに動き出す


「きっと誰かが救助に来て下さるでしょう

 それまではこの館に泊めていただきましょう♪」


ローラは動じず不安を微塵にも感じていない


(私、ココさんに嫌われていたようですね)


少しだけ寂し気に俯くがすぐに前を向く


「救助が来て帰れたらココさんと仲直りをしましょう!

 それまではここでのんびり休息です♪」


ここでの生活を楽しむことに切り替えるローラ

順応性が高く怖いもの知らずの天然王女


聖王女ローラ・ルーラのまったり魔境生活は始まったばかり

ローラを慕う者もいれば嫌う者もいます

ローラはその悪意にまったく気づきません

そういう子なのです

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