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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 1

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主とメイド

お腹もふくれて落ち着きを取り戻したリナ

同時に色々考えます


ローラの言う救助がいつ来るのかわかりません

自分たちの大陸とここがどれだけ離れているのか不明

この世界には100以上の大陸が存在します

この大陸にいることを知って探し出せるのか

何十年、いや一生かかっても見つけられないかも知れません


「リナ、そのように不安がるのはよしなさい」


ローラは曇った顔をして考え込んでいるリナに言います


「ですがローラ様、もしかしたら一生このまま・・・」


リナはハッとした


(いけない、わたしより小さなローラ様を不安にさせてしまう)


大人の自分がしっかりしないとと思い直します


「そうね、一生救助が来ない可能性もあります」

「すみません、不安にさせるようなことを言ってしまって」


ローラは不安どころか満面の笑みを浮かべます


「私は不安になどなっていませんよリナ

 救助が来なければ来ないで特に気にすることはないですから♪」


「ええっ!?」


「住居はこの館がありますし食料もきっとなんとかなるでしょう

 服はまあ新しいものは無理ですが着回しできますし

 残りの時間をここでゆっくり過ごすのも悪くないですわ♪

 あら、特に問題などはありませんわね?

 ですから救助のことは深く考える必要はないのです

 現状を楽しみつつ待っていれば良いのですよリナ

 そのままここで一生を終えるのもまた一興ですわ♪」


「で、ですがご家族やご友人とも会えなくなるのですよ」


「それは仕方がありませんわ、すっぱりあきらめましょう

 あちらでは私たち死んだことになっているかも知れませんし」


「そうかも知れませんが、探してくれているかも知れませんよ」


「それならそれでここを見つけ出して下さる可能性がありますわね

 そして助け出されたら元の生活に戻ればいいだけですわ

 ほら、どちらにせよ問題などありませんわよ♪」


リナは絶句した


(この方、わたし以上に達観していらっしゃる)


達観というか何も考えていないというかこれがローラなのです


(でもローラ様の言うとおりかも知れませんね)


「そうですね、深く考えてもなるようにしかなりませんよね」

「そうですわよ♪」


リナはここでの生活を前向きにとらえることにしました




「私は来たばかりなので館の中を知りません

 案内していただけるかしら?」


「お任せ下さいローラ様」


「ふふ、王宮のメイドたちを思い出しますわ

 そうだわ! この館での私の専属メイドになって下さるかしら」


「よろしいのですか? わたしは孤児で平民ですよ」

「何か問題がありまして?」


「王室のメイドは下位貴族の方がなられると聞いております」

「そうですわね、ですが私のメイドたちの中には元奴隷もいますわ」


ローラのメイドはローラが勝手に気に入った者を雇っています

奴隷、平民、貴族など身分を問いません

本当は駄目なのですがローラに誰も反対できなかったのです


「そうなのですね」

「ですからリナが私のメイドでも問題ありません」


「それではローラ様のメイドを務めさせていただきます

 よろしくお願い致しますローラ様」


跪き一礼をするリナ

こうしてローラとリナの主従関係が結ばれました


「でもこの館の本当の主がいらしたらどうしましょう

 勝手に私が館の主になっていたら怒られるかも知れませんね」


「そのときは一緒に謝りましょう

 それにその方が来れば帰る手段もわかるかも知れません」


「なるほど、それは良いですわね

 この館の本当の主が来て下されば万事解決ですわ♪」


万事解決となるかは相手次第である

だけどローラは必ずなんとかなると心底思っています




リナは館の中を案内していきます


「お部屋はたくさんありますからお好きな部屋をお使い下さい」

「リナはどこのお部屋かしら」


「まだ決めていませんでした、そうですね、ではこちらにします」

「では私はその向かいを使いますわ、近い方がよろしいでしょう」


二階南側西面の部屋をリナは選びました

すぐに行き来できるのでローラは向かいの東面を選びました


それから執務室や談話室など案内していきます


「こちらが浴室です」

「お湯が張られていませんわね」


「じつは使い方がわからないのです」

「リナは入浴していなかったのですか?」


「恥ずかしながらここではまだです」

「そのわりには汚くありませんね」


「わたしの能力で汚れを落としているのです」

「たしか家事職人でしたわね」

「はい」


「便利ですわね家事職人」

「家事以外は無能なのですけどね」


苦笑するリナ

事実、そのせいで餓死寸前でしたから


ローラは浴室をうろちょろして確認します


「これですわね」


浴槽の四隅にコウモリの像があります

そのうちの一つに魔力を注ぐローラ

すると四隅すべてのコウモリのお腹の部分に穴が開きました

そこからお湯が流れ出て浴槽にお湯が張られていきます


「よくわかりましたねローラ様」

「魔力を注いで使う道具には必ず魔石がついていますから」


コウモリの頭部の中に魔石が埋め込まれています

ローラは魔石の気配を探知したのです


(ぽやっとしているのに色々と頭が回る方ですね)


リナは感心します


「夕食のあと入りましょうリナ」

「はい、お身体洗わせていただきます」


そして最後に厨房へと案内します

そこでリナは思い出します、最大の問題を

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