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聖王女のまったり魔境ライフ  作者: 長城万里
Mattari 3

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102/104

勇者一行協力を誓う

この大陸が魔王の私有地、この館が魔王の別荘

そしてアネラは魔王の従者であるということ

勇者一行は反射的に臨戦態勢になります

しかし賢者ロレンスがそれを(いさ)めます


「でもロレンスさん、ここは敵地ということでは」

「それならばローラ様は死んでいましたよライトくん」

「私はなにもされていませんわ勇者様」


敵地ならばローラは捕らえられるなり殺されていたことでしょう

それに魔王とは関係のない者たちもいます

たしかにとライトは迷いを残しながらも納得します


「ロレンス様、皆様をお止め下さりありがとうございます」

「約束しましたから、まあ私も一瞬構えましたが」


苦笑するロレンス


「だが魔王の地には違いないのだろう?

 いくら害がないとはいえ警戒は解けないぞロレンス」


バルクも今一つ納得がいっていません


「そうですね、ですがいくつか気になる点があります」

「なんだ?」


「まず魔王の名前が違います」

「ん?」


「アネラさんが仰った魔王の名はセラフィム

 私たちが討伐に向かっている魔王の名はトライゾンですよ」


ライトたちは言われて気づきます

魔王という単語に反応しすぎていたため違いに気づけませんでした


「魔王が二人もいるってことなのか?」 とドラン


「アネラさん、そこのあたりを教えて下さりますか」

「はい」


アネラはローラたちに語ったことを今一度語りました

セラフィムは他種族への危害を禁じていたこと

トライゾンは他種族を下僕にして魔族の世界を作ろうしていること

そのためにセラフィムを封印して新たな魔王となった


「俺たちは封印が解かれて復活した魔王を討伐に向かっていたのだけど

 なんか話が食い違っていませんか?」


本来の魔王であるセラフィムを封印して魔王になったトライゾン

トライゾンは封印されていたわけでも復活したわけでもありません


「セラフィム様の前の魔王様のことが関係しているのでしょう

 その魔王様は他種族へ侵攻していましたがその時代の勇者に封印されました

 恐らくその封印が解かれたと思われているのでしょう」


「その魔王がトライゾンということになっているわけですか?」

「そのようです、トライゾンはその誤情報も利用しているのでしょうね」


「それじゃ封印されていた魔王はまだ封印されたままってことなのか?」

「いえ、その魔王様はセラフィム様が討ち滅ぼしました」


その魔王が封印されて数年後、セラフィムが魔王の座につきました

新たな魔王が現れたため勇者は再び討伐に向かいます

しかし魔王軍からは刺客も邪魔も入りません

一切の戦闘もなく魔王城に勇者は辿り着きます

セラフィムと勇者は戦うことなく会談で和平を結びました

ただこれは勇者とセラフィムの間だけで結ばれた協定でした

セラフィムは魔族が他種族へ危害を加えることを禁じると約束します

その証として封印された魔王を勇者の前で討ち滅ぼしました

その後、約束どおり魔族が他種族を襲うことはなくなりました


「じゃそのセラフィムというのは魔王だが俺たちの敵にはならないわけか」

「もちろんでございますドラン様」


それでも魔王ということには変わりありません

勇者一行は複雑な気持ちでいっぱいです


「じつはそのセラフィムさんの封印を解く手助けをすることになっていますの」


ローラの言葉に勇者一行はポカンとする


「いくら無害でも魔王ですよローラ様」 とバルク

「封印したままでいいんじゃないか?」 とドラン


アネラが悲しそうな顔をします


「私はアネラ様と約束しましたので封印は必ず解いてみせますわ

 反対なさるのは構いませんが邪魔だけはしないで下さいませ」


バルクとドランは少しバツが悪そうにします


「それって魔法を使える人が多い方がいいのよねローラ」


「そうですわね、封印を解くとなると魔法を使える方は必要ですわ

 人数が多ければ総魔力量も多くなりますし」


「わかったわ、わたしも手を貸すわ」

「まあ! ありがとうございますココさん、さすが私の親友ですわ♪」


大喜びでココに抱きつくローラ


「いちいち抱きつかないで!」

「あらあら、照れていますのね♪」

「むきー!」


「えっと、俺も手を貸していいかなローラ様」

「え、ライト、勇者なのにいいの?」

「勇者様、よろしいのですか?」


魔王の封印を解く、すなわち魔王復活に手を貸すということ

勇者は封印する側で封印を解く側ではありません


「たしかに俺は勇者だけど、いや勇者だから助けたい

 その魔王は無害なんだよね、裏切られて封印されたんだよね

 なにより前の勇者とその魔王は和平を望んたんだ

 なのに封印だの討伐だのなんてできないよ」


「ありがとうございます勇者ライト様」


アネラがライトに一礼する


「これは私たちも協力するしかありませんね」


ロレンスがバルクとドランに微笑む

二人は仕方がないと諦め顔をする


「わかりました、俺も協力します」

「しょうがないから俺も手伝うぜ」


勇者一行が封印解除に協力することになりました


「さて、話がまとまったところでもう一つの疑問点についてよろしいですか?」

「あら賢者様、まだなにか気になられることがありますの?」


「ここが魔王セラフィムの私有地だということで間違いありませんね」

「はい、間違いありませんロレンス様」


「では他種族がこの地に居住していたことなどはありますか?」


「それは有り得ません、居住できる場所などこの館のみです

 この館にも他種族の方を招くこともありませんでしから

 ローラ様たちが初めてでございます」


「なるほど、ありがとうございます」

「賢者様、それがどうかいたしましたの?」


「じつはこの大陸に渡るために船を探していたのですが見つかりませんでした

 そのとき彼女が船に乗せて下さると仰られたので乗せていただきました」


ロレンスはビアンカの方を向く

この場の一同が一斉にビアンカに注目する


「たしか祖父がこの大陸出身だと仰られましたがおかしいですね

 魔王の私有地、そして他種族が居住どころか招かれてもいない

 ではあなたの祖父は魔族なのでしょうかビアンカさん?」


「やはりいわくつきの方だったようですね」

「シュナイダー、貴様も気づいていたか」

「我もそいつは怪しい奴だと気づいていたぞ」


シュナイダー、アイン、ジャンヌはビアンカを警戒していたのです


(船乗りのようだが気配が裏の人間のそれでしたからな)

(身のこなしが明らかに凡人ではない)

(こいつから血の匂いがするからまともな奴じゃないぞ)


三人とロレンスに見据えられ顔が少し引きつるビアンカ


(まずい、これは非常にまずい)


他の面々も注目している

普段なら気配を消して逃げるか殲滅するところである

だがこのメンツを相手に逃走も殲滅も無理であることを理解していた

ビアンカ、いやルージュは必死に頭をフル回転させるのでしたとさ

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