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ケモっ娘ぱわーで癒され日記  作者: 小日向 雨空
〈1章:とにかく癒されたい〉
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〈05話:恋人〉



「——私でよければよろしくお願いします」



 ラミィから聞いた悩み相談でつい告白までしてしまった。

 ボクから告白をしてまさかOKがもらえるとは思いもしなかった。

 英雄としてのプライドとか、そんなものはない。

 ボクだってひとりの人間だもん。

 誰と恋愛してようが勝手だと思った。

 そうした結果、今この瞬間、ラミィから告白のOKをもらえた。

「よろしくね。ラミィ」

「はい!」

 優しく包み込むようにハグをする。

 人の暖かさを感じる。

 この時間がずっと続けばいいのに。

 なんて、そう思ってしまう。

「これ、ラミィにあげるよ」

 そう言ってボクは魔法の成長の時に使っていたとある飴玉を差し出す。

「この飴を食べると、レベルアップがしやすくなるバフがかかる。そうしたら魔法も少しは上達が早まるんじゃないかな」

 ラミィはキラキラした目で飴玉を見る。

[成長の飴玉]と呼ばれたその飴玉はとても味や効能が調節されており、その人にとって「一番」美味しく、「一番」能力増強しやすいようにできているかなりのレアものだ。

「これって、一つ金貨五十枚で取引される飴玉じゃないですか! いいんですか?」

「うん。付き合って最初のプレゼントってことで。またお揃いのものとかは別途買おう」

「はい! えへへへ」

 ニコニコしてるラミィを見てるとこっちまで嬉しくなる。

「とりあえず、一旦王都に帰ろうか。日も落ちてるし」

「はい!」

 そうして、王都の宿に戻った。

 今日は、いや、今日からラミィとハグをして寝ると言う習慣がついたのは言うまでもない。


 * * *


 翌々日。王都のフェスが始まる日となった。

「ラミィ。朝だよ」

「んん〜?」

 肩を軽く揺さぶってラミィを優しく起こす。

「はるさん〜すき〜」

 寝ぼけてるのか本音なのか。

 でも嬉しくて尻尾パタパタ。

 時刻は七時。開幕まで残り一時間だ。

 流石に起きてもらいたい。

「ラミィ。起きないと置いてくよ?」

「ハッ! それはやだ!」

 宿屋に置いていかれ、寂しい思いをしたのか、ガバッと体を起こす。

「起きたね。じゃあぎゅ〜」

 ちゃんと起きれたことを褒め、ハグをする。

「えへへへ」

 朝からイチャつくハルラミ。

 付き合い始めて一日ですでにバカップルの爆誕だ。

「目が覚めたら着替えてね。フェスの日だから早めに行かないと」

「そうだった。私としたことが」

 ラミィと付き合ってからは前以上に甘えた言葉を使うことが増えた気がするのは気のせいではないだろう。

 一通りハルもラミィも着替えが終わり、朝食を食べ終わったら王都にある闘技場へ向かう。

 そこで、王のダリエスと遭遇した。

「やあ。はる。開始前に来てくれて嬉しいよ」

「君はボクを遅刻魔と勘違いしてない?」

「あながち間違ってない気がするけどね」

「まあ寝るのは好きだけど」

 ふと、ダリエスがラミィとハルの手が繋がれていることに気がつく。

 ただの手繋ぎではなく、恋人繋ぎであることもしっかり勘付いた。

「と、ラミィさんとは付き合えた感じかな? その感じは」

「おかげさまで。ラブラブです」

「え、えと、私のハルさんに手は出さないでね?」

 ラミィからしたらせめてもの威嚇だろうが、攻撃力は弱かった。

「あはは。君の大切な彼氏さんは大事にしてあげるんだよ」

「は、はい!」

「ハルも、彼女は大事にね。泣かせたら僕が殴るよ」

「嬉し泣きならたくさんさせたる」

 そんな感じで駄弁りながら、会場の準備を始める。

 時刻は九時。

 フェスが始まる時間となった。

「お、定刻だね。じゃあ、ハル。頼んだよ」

「うん」

「は、ハルさんなら大丈夫ですよ」

「うん。よしよし」

 愛しい彼女の頭を撫でてから、OP(オープニング)に出る。

 会場は思った以上に騒々しかった。

 ハルが壇上(だんじょう)に立つと、「かわいい」や「英雄さん!?」などの声が聞こえてくる。

「みんなー! 今日からこの王都でフェスが始まるよ! ルールは単純。トーナメント性の相手を倒せばそれで勝ち! それじゃあ、楽しんでね!」

 ワアアアアア!! と騒ぎが起き、一回戦目が始まる。

 ちなみに、ハルとダリエスは準々決勝の相手と戦う。

 ラミィはあまり自信がないとのことで今回は不参加。

 また鍛えたら参加したいと言っていた。

「おわったよ〜」

「ありがとう。はいこれ」

「ん? ネックレス? 二対あるけどもしかして?」

 何かを察したボクはダリエスに聞く。

「うん。付き合ったって誰かから聞いたから。記念にね」

「おぉ。それはありがたい。けどどうせなら自分で買いたかったかな」

 苦笑いしていると、ラミィが服の(すそ)(つま)んできた。

「あの、私、そのネックレスすごい気になってて……。ほんとに頂いていいんですか?」

 ラミィがダリエスと話すことが少しできている。

 進展かもしれない。

「うん。壊れるまで使い古して欲しい。壊れるまで使い古すと願いが叶うって言うやつだからね」

「なんだそのミサンガみたいなネックレス」

 つい突っ込んでしまった。

 でもそんな効果があるとは聞いたことがある。

 それを聞いたラミィは嬉しそうにニコニコしている。

「はるさん、つけましょ! 願い事は『ハルさんと結婚できますように』」

「だいぶ重要な願い事だね。君の彼女とってもかわいいね」

「ボクにはもったいないぐらいいい子だよ」

「そう? お似合いだと思うよ」

「ありがとう」

 そう言って感謝を伝える。

 準々決勝は明日なので、それまで買い物デートをしようと決まった。

 ラミィは練習とかしなくていいのかと心配していたが、ダリエスから「彼は練習してからボス戦に挑んだことはない」と話していてラミィを若干困らせた。

 流石に困らせたと察したダリエスは「それでも倒れたことはなかったよ。ほぼ無傷で倒してる」と伝え、安心させた。

 そんな感じで闘技場から抜け、買い物デートをするためにショッピングセンターに来ていた。

「ハルさん! この服どうですか?」

 ラミィが出してきた服は白シャツの真ん中にちっちゃく「つよい」と書かれたいかにも弱そうな服だった。

「え、かわいい。欲しいかも」

「じゃあ私も買おう。ペアルックです!」

 かわいい。

 元気な子を見るとこっちまで元気になるよね。

「ラミィはこう言うの好き?」

 そう言って出したのは桜の硝子(がらす)細工がされたヘアピンだった。

 ヘアクリップの部分も高級硝子で作られており、かなり高価なものとして記念品などに贈呈されることが多い。

 一つ一つ職人技らしく、一個金貨五枚という高級品。

「かわいい……。でも、ちょっと高い気が……」

「それなら気にしなくていいよ。ボクが出すから」

「ほんとですか? わーい!」

 よかった。喜んでもらえた。

 今、最高にリア充してるな。

 そう感じた。


 * * *


 お昼。結局ラミィとハルは服をそれぞれ十五着、布団やソファー、テレビなどを購入し、最高額のものは自家用ジェットまで買ってしまった。

「自家用ジェット買おうか」と言ったときはラミィはビビっていた。

「じ、自家用ジェット、ですか? え? 正気?」

 みたいな反応してた。

 それでもまだお金には困らない。

 手持ち金は確かにかなり減ったが、金庫口座にはまだ腐るほどある。

 お金に困り出したらまたモンスターを倒しに行けばいい。

 まだボクらでも倒してない強い魔物など沢山いる。

「はるふぁんはやっふぁりしゅごいでふね(ハルさんはやっぱりすごいですね)」

「食べ終わってから話そうか」

 もぐもぐ。

 お昼を食べながらラミィはくつろいでいた。

 なんとラザニア特盛(500g)。

 ちなみにボクはそんなに食べないのでハンバーグセットにした。

 ごくん、とラザニアが喉を通る音が聞こえた。

「はるさんってやっぱりすごいんですね。あんな大金使いつつまだお金が余っているとは」

「まあ、勇者時代、節約しながらレベルアップして、強い敵倒してって言うのを繰り返してたからね。節約は得意だよ」

「自家用ジェット買った人が節約得意とかちょっと想像できないですね」

 あはは、と笑いながら軽く(けな)された気がしたが気のせいだろう。

「でもラミィも結構買ったよね。かわいい服率が高めで」

 かわいい服が好きなんです、と、言っていた。

 女の子の憧れは可愛い服なのだろうか。

「荷物どうしようか。一旦家に帰ってもいいけど、あんまり時間がない」

「王都ならでっかい荷物預け場が一日金貨二枚で無人営業してます。無人なのでスられる心配もないですし、ギルドカードで本人確認するので誤認の可能性も低いです」

「じゃあそうしよう」

 ラミィさんは王都にも詳しかった。

 頼もしい。

「じゃあ、荷物預けて一回宿屋に戻ろうか」

「はい!」

 そんな感じで荷物を預け、宿屋に戻る。

「明日、準々決勝ですけど、勝てそうですか?」

 勝てそうか。

 否か。

 そんな答えは決まっている。

「勝てる勝てないじゃない。勝つんだよ。久々に暴れたいからね」

「おぉ……。応援してます! ハルさんがもし優勝したら……。願い事なんでも一つ叶えます!」

「なん、だと」

 願い事を一つなんでも叶えてくれるとか天使か?

 うーん、今も十分幸せだからあんまり願い事はないんだけどなぁ。

「じゃあ、今日はボクがラミィの願い事叶えてあげる。何がいい?」

「へっ?」

 間抜けた声。

 逆に願い事を叶えるとは思ってもなかったのだろう。

 でも嫌じゃなさそう。

「じゃ、じゃあ……。『いつも偉いね』ってよしよししながら尻尾もふもふさせて欲しいです……」

 もじもじしながらそんなことを口にするラミィ。

「そんなことならいつでもするのに」

「た、たまにしか言えないから嬉しいんですっ!」

 かわいい。

 素直になれないラミィさん。

 そんなわけで、よしよししながら尻尾を献上した。

 正面から抱きついているので少し気恥ずかしさはあるが、慣れた。

 そして。

「……はるさぁん」

 ラミィが寝た。

 尻尾をモフモフしながら寝落ちをした。

 寝言でもボクのことを呼んでいる。

 起こさないようにベッドに横にしてあげてそのまま自分も寝た。

 今日はいい夢が見られそうだ。


 おやすみなさい。

( 'ω' )<ラミィとハルがリア充してんなぁ…

羨ましいとかお、おおおおお思ってないですよ!?(嘘です)

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