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1.「アマーリエ・スカラ・シュトレクは王妃としてふさわしくありません」
「アマーリエ・スカラ・シュトレクは王妃としてふさわしくありません。なぜならば、国王陛下ではない別の殿方と密会していたからですわ!」
宮殿の大広間は中央から吊り下がったシャンデリアを始めとする無数の灯りに照らされ、夜なお明るい。着飾った貴族や貴婦人たちの影を濃く作り出していた。
歴史古く、繁栄に陰りの見えない大国シュトレクの王宮にふさわしいきらびやかな夜会に、どうどうたる声が響いた。
不慮の事故のため、ここ最近顔を見せないでいたアマーリエ・スカラ・シュトレクがひさびさに登場した夜会であるものの、彼女を断罪する声に、広間はしんと静まる。
アマーリエを労わるように付き添っていた国王がさっと片手を上げる。すると、近衛が近づいて来る。
不埒者を捕縛せんという屈強の兵士たちに、断罪の声を上げた令嬢は婉然とほほえんだ。
短いので次話も投稿します。
全十話予定です。