11-2 サーラの事情
「お主、そのブレスレットを集めておるのじゃろ?」
ターケンの家で出会った時、サーラはアクトを指差してそう言った。
「どうしてそれを」
「ワシが入ってきたとき、ちょうどスローウの嬢ちゃんが言っておったでな。悪いが聞かせてもらった。でじゃ。ワシにはそれ、その、えーと、コンストラクタじゃったか」
「エクストラクター」
「そうそれ。それを見たことがあるのじゃ。ワシらの村を襲っとるガルーダのフォーゲルが持っておった」
アクトは初めてそこでサーラの話に食いついた。
「詳しく教えてほしいです」
「無論無論。ワシの"依頼"にも関わる話じゃて。での、ソイツは、それを使ってワシらを脅してきておるのじゃ。村長のダラマ・サ様も大層お困りでの。そこでターケン殿に支援してもらい、フォーゲルに対抗しようと思ったのじゃが。この状況では無理じゃろ。ゴーシュに頼むでも良いが、選挙やらスローウへの懲罰とかもあるじゃろし」
「……まあ、そう、ですね」
スローウへの懲罰。その言葉を聞いてゴーシュの顔が曇った。出来ればそのような事はしたくない。そういう思いが顔に出ていた。
「でじゃ、そこな人間達に手伝ってもらいたいというわけじゃ。さすればワシらは助かり、お主らはフォーゲルの持っていたコンキスタドールを手に入れられる。一石二鳥じゃろ?」
「エクストラクターですね」
「そうそれ」
わざと間違えているのか、それとも本当に間違えているのか。飄々としたサーラのその姿からはどうにも掴みかねた。
「この人興味の無い事の記憶力は無いので間違えてるだけだと思う」
ゴーシュがアクトの耳元で囁いた。
「重要なのはじゃ、ワシらの村を救ってくれれば、お主らにもメリ……メ……なんじゃったか」
「メリット」
「そうそれ。それがあるということじゃよ。どうじゃ、引き受けてくれるか」
「どうする?」
シーリアはアクトの方を見る。彼女は引き受けた方が良いのではと思っていたが、スローウを放っておいて良いのかという点も気になって判断しかねていた。
「……スローウお嬢様の件は、私にお任せ下さい」
ゴーシュが静かに言った。
「命を奪う事は勿論致しません。貴方方の言う通り、ちゃんと罪を償って頂くよう、伝えますし、そうさせます。ですので貴方がたはこの件気にしないで頂いて結構。自由になさって下さい。……ただ出来れば、同じ人住まぬ地に住む者として、困っている隣人を助けてほしいという事もございます」
そういうとゴーシュは跪き頭を下げた。
「可能であれば私からもお願い致します。サーラ殿の支援の件、貴方方で行って頂けますでしょうか」
その言葉にアクトとシーリアは顔を見合わせ、やがてアクトは口を開いた。
「……分かりました。やりましょう」




