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11-1 サラマンダーの村へ

 この世界において、サラマンダーはドラゴンではない。所謂爬虫類から進化したという点では同一だが、ドラゴンが空をも統べるべく進化したのに対し、サラマンダーはあくまで魔界のあらゆる環境に適合することを優先する方向で進化した姿である。そして魔界の大地は熱を帯びている場所が多い。そうした理由から、サラマンダーは特に熱に強い種族として形成された。一方ドラゴンはより強くより強大になるべく個体数を減らしながらも進化した結果、魔界最強の種族として君臨する事になった。


 ドラゴンとサラマンダーは仲が悪い。サラマンダー側には特に嫌う理由は無いのだが、ドラゴン側からするとサラマンダーは強さよりも妥協を求めたように映るのか、種族全体で敵対していた。


 結果、サラマンダーは魔界を追放された。魔界を統べる力を持つドラゴン族に敵視されて生活していく事は難しかったのである。



「そういうわけでこちらに流れ着いたというわけじゃ」

「なるほど」


 アクトは興味を惹かれたようで、サーラの語るサラマンダー族の歴史をふむふむと聞いていた。


「歴史は良いのだけれど、一応はドラゴンと敵対出来る程の種族なんでしょ?なんだって一匹の魔物退治にケンタウロスだのアタシらだのを駆り出す必要があるの?」


 歴史に興味の無いシーリアが単刀直入にサーラに尋ねる。


「ドラゴンと敵対したと言っても、対抗出来たとは言っておらぬ。ただただ逃げ惑うばかりじゃった。生き延びる事は出来たがの、ワシらは基本的に温厚なのでな。武力は無いんじゃよ、残念ながら。それでお主らに依頼したというわけじゃ、村の近くのガルーダ退治をな」


 ガルーダとは一言で言えば怪鳥である。魔力を帯びて巨大化し知性も持った鷹やワシ等の鳥族がガルーダ族と呼ばれている。彼らもまたドラゴンと敵対し、ある程度拮抗したものの、鱗の有無で敗北しこの人住まぬ地(ノーマンズ・ランド)へと追いやられたという。


「そういう種族対立はどうにもなくならないのだねえ」


「人間とて同じじゃろ。何処もそういう問題は永遠に抱えているものじゃよ。種族だけではない。争いというものは、命が二つあれば必ず発生するものじゃ」


「……まぁね」


 シーリアは色々と思い当たる節があった。国と国、人と人の争い。騎士団の団長として様々な場面を見てきたが、そうした問題は常に付きまとっていた。


「ともあれ、受けてくれて助かったわい」


「本当はあまり受ける気は無かったのですが、これの話を出されてはどうにもね」


 そう言ってアクトはブレスレットを見せる。


 サーラがターケンの家でアクトを指名した理由も此処にあった。

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