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1.公務を交えながら学ぶ姫君達



 翌日、侯爵夫妻が王宮へ向かった。恐らく、昨夜の騒動に関する苦言か相互確認だろう。


 本日は、システィアーナも王宮へ行く日でもある。


 システィアーナも(また)従兄(いとこ)のエルネストも、王太子、王子や王女の学友として、週に5日は出仕しているのだ。


 社交シーズンだとかオフシーズンだとかは、関係ない。



 システィアーナと同い年の第一王女ユーフェミアと、二つ年下の第二王女アルメルティアは、王族としての宮廷マナーや外交用の社会情勢、語学、政治学などを共に学んでいる。



 女性が政治に口を出すのを好まない古風な国も多いが、この国では、外交をする上で、世界を、政治を知らぬのでは、王妃王女は務まらないという考えで、女性も公務を交えながらそれなりに学ぶのである。



 システィアーナは侯爵位を継ぐ者として、何かあれば祖父のドゥウェルヴィア公爵の代行も務める可能性をも(かんが)み、王子妃・王女たちと共に、公務を交えながら、実践で学んでいた。



「シス! 今日も出て来て大丈夫なの?」



 登城一番、ユーフェミア王女に訊かれたことがこれである。



「大丈夫なのか、とは?」


「フレキシヴァルトお兄さまに訊いたわ。昨夜、あの馬鹿オルギュストに、婚約破棄するって宣言されたのですって?」

「な、なぜそれを⋯⋯」

「そのショックで、夜会が始まったばかりの宵のうちに帰宅した、とも聞いてるのよ。体調が悪かったり、気分が優れないのなら⋯⋯」


「確かに、心穏やかに平然とはしていられませんけれど、どちらかと言えばやっとかと言う気持ちですの」



 薄紅の姫君と呼ばれる淡いピンクゴールドの髪を揺らして小首を傾げ、パパラチアサファイアのように橙味を帯びた濃いピンクの瞳を笑みに換えて会釈すると、用意した勉強のための資料を机に広げた。





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