第37話 巣穴の中から
第37話 巣穴の中から
ゴブリン達が騒がしい。何だ? ハンターか?
魔石の力を使い、ゴブリンと意思疎通を試みると、なんと、驚いたことに、ブラックベアがゴブリンを襲ったようだ。
驚く? いや、驚くことはない、そういうことは、あり得ることだ。
ブラックベアがゴブリンを襲っても、不思議はない。
だから、オーガを5体用意し、巡回させているのだから。
勿論、そのうちの1体は、カート達に倒されてしまったのだが、そんなことは、サンダンスは知る由もなかった。
サンダンスは、あまり、焦った様子もなく落ち着こうとしたが、追われているのは事実で、早く魔石に魔力を蓄え、ここから出て行きたいサンダンスであった。
しばらくして、また、ゴブリンらが騒がしい。
『ゴブリンと意思疎通をするのも魔石が必要なのだぞ!』と思うと、治癒魔法などと、大量に魔力を使ったジムが、うっとおしくなってきた。
しかし、念の為、ゴブリンと意思疎通をしておこう。
「どうした?」
「キキッ、キー(巣穴の前に、ブラックベアが来てます)」
はあ?
何でだ? よくはわからんが、休憩中のオーガを対処に当たらせろ!
クソ!また魔力を使っているではないか!
今、巡回しているオーガは2体だ。休憩している3体のうち、何体必要なんだ?
「そこのゴブリン。ブラックベアは何頭が入口に来ているんだ?」
「キィー、キキ(いっぱい、いるんです)」
サンダンスは頭を抱えたかった。答えになっとらんだろうが!?
『あぁ、面倒だ!』
3体とも出そう。早く始末すれば、ハンター共に、ここが見つかる可能性も低くなる。
そして、オーガが出撃するも、巣穴の入口では、ブラックベア等おらず、ゴブリンの悲鳴だけが、聞こえていた。
オーガ達は、辺りを見渡し、ゴブリンの声のする方向へと捜索し始めた。
恐らく、サンダンスが見れば、消耗品のゴブリンの捜索など不要と思うだろうが、共に近い魔物同士、オーガ達はゴブリンを探し始めたのだ。
実は、ブラックベアが襲ったのは、事実だった。
ブラックベアは、逃げ惑うゴブリンを追いかけてしまい、既に、ここにいないのである。
ハンター達は、逃げ惑うゴブリンを数匹捕まえ、少し離れたところに縛り、ファイヤーボールで、じわりとその身体を炙って、悲鳴をあげさせていたのである。
そして、木の上で矢を構えるカートは思った『オーガ、3体は多いな』と。




