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死後の世界は人手不足 ―お茶と空手があれば何とかなる―  作者: 井上 正太郎
第ニ章 空手家、異世界冒険者になる
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第30話 掃討

第30話 掃討


 仔牛ぐらいの体格のある巨大ウルフは、ゴブリンの乗るウルフを咥えると、天高く放り投げる!

 投げられたウルフは、頭から落ち、首が曲がっては行けない方向に曲がっていた。


 毒堀達ハンターは、ギルドにある武器で武装し、町の魔物討伐に出ていた。

 動きの早い相手なので、弓矢など飛び道具を使っている。

 アニーの火炎魔法も相手を誘導するのに、役立っているようだ。

 火炎で囲まれたら、ウルフは身動き出来ないのだ。そこを弓矢で射られて倒れるゴブリンライダー達。


 蒼井は、『また、投石でもしてやろうか?』と思ったが、町中に石はない。ナイフを投げても、射程距離がそれほど長いわけでもなく、素早い相手向きではない。

 そのような事を蒼井が考えていると、ギルドマスターから提案がなされた。


「このスリングショットを使うと良い」

「なんだパチンコか?」

「パチンコ?」

「いや、何でもない」

 玩具のパチンコなら、子供の頃、遊んだことがある。使い方は変わらんはずだ。


 蒼井は巨大ウルフと共に、町の魔物討伐に出るであった。

 しばらくして、魔物は町から去った。



 ハンター達は、ギルドの会議室に集まっていた。

 ギルドから状況の説明があるからだ。

 ギルドからの説明は、次の通り。


 1つ、魔物が現れる際、サンダンスが魔石を使用していたことから、魔物はサンダンスと関係があること。


 2つ、ジム・ライト、サンダンス他、ギルド職員数名が行方不明であること。


 3つ、魔物の巣穴を探していた先遣隊が、西野山でギルド職員とゴブリンライダーが負傷したジムを運んでいるのを遠巻きだが発見したこと。

 あまりにおかしい状況なので、ハッキリと再度、確認したとのこと。


 最後に、ジム達を見かけた地点から、すぐのところに、魔物の巣穴を発見。入口には門番のゴブリンがいたとのこと。



 ハンターからは、「つまりは、ジムとサンダンスらが攣るんで、街道やら牧場やらに魔物を襲撃させていたということなのか?」と怒りの声があがった。

 これには、職員でなくマスター直々に回答を行った。

 「恥ずかしい話だが、そういうことになる」

 会議室は、嘆息が漏れた。


 職員から、追加報告として、ジムとサンダンス等の過去について説明がなされた。

 どうやら、ギルドマスターも別途調査をしていたようだ。


「というこは、サンダンスが強盗をし、ジムが用心棒をするということを、あちこちの町でやらかして来たということなんだな?」

「マッチポンプ野郎が!」


 つまりである、あの日、2人が出会ってから、あちこちの町で、サンダンスが商店や銀行に脅迫状を送り、ジムが「元シェリフのオレ様が用心棒をするぜ!」というものだった。

 そして、10年前に部下ともども、この“牧場の町”にやって来た。

 この町では、ギルド職員を表の職業としていれば、怪しまれることはないだろう。ましてや、ここのギルドは町役場も兼ねている公務員なのだから。


 ギルドマスターは言った。

「彼等もろとも、魔物の巣穴を掃討する」と。 


『オレの試験は、どうなったのだ』と、蒼井は不安になったが、精神安定の為にも、緑茶を飲むのであった。

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