プロローグ3 日常亀裂
血生臭い地獄のような光景の中。
吸血鬼。。そんなやつらが何で母さんを。でも今は逃げないと。どうこうしても仕方ない。必ず母さんの敵は取る。でも今は。逃げないと。必ず必ず必ず殺す。絶対に。
刹那は走り出した。
「チェイスさま。殺しても??」走り出した姿をみて男が聞いた。
「いいといったはずだよ???でもいくのは君だけね、クロウリーが来たら厄介だしさっ」中性的な男は答えた。
「イエスマイロード。」男は膝をつく。
刹那は全力で逃げた追いかけてくる恐怖から、化け物から、
路地裏に入った。これで逃げれるはず。
ハァハァ 息が切れた。
バンッ体が吹っ飛ぶ。
男が刹那を蹴ったのだ。
「逃げ切れたとでも??思ったかガキ。人間とはできがちがうんだよ。」
言葉がつまる。状況は絶望的。もうどうしようもない。このまま死ぬのか。
「そういやぁしってるか??人間は、ストレスを与えたらうまくなるんだよ。な!!」男は刹那を再び蹴る。
「お前の母親の最後でも聞かせてやろうか?まずは逃げられないように手足を折ったんだよ、そして、爪を剥いでそのあとは指を一つ一つ千切ったんだよ!!そんな中でも刹那刹那ってうるさくってなぁ??笑えんだろ?なぁ?」
また蹴りがくる。骨は何本折れただろう。でも、それよりも、母さんは苦しみを味わった。そんな中でも俺の名前を。
「あ?そろそろいいか?味見してみるか。」
男はそういうと刹那の首を引っ掻く。血が流れる。
「そこそこか。。」男がそういったところで、
刹那は近くにあった鉄パイプを握り男の頭を殴った。
「うっせーながき!!」男は再び刹那を蹴り飛ばす。
男の目は赤くなった。
母さんの敵。俺は恐らくここで死ぬだろう。でもならば、
母さんの味わった苦しみを。
あぁ。本当に悪夢のような一日だ。ただ報いたい。唯一の居場所を、家族を壊した、あいつらに。母さんを殺したこいつらを
「ろ。し、てやる。」
「あ???なんか言ったかガキ!!」
「化け物。。。俺はまだ終わりたくない。。」
「可笑しくなっちまったのか???」
「絶対に殺してやる。化け物!!!」
だからこんなところで死んでたまるか。。そして俺は目の前の恐怖を睨み付けた。足元に落ちた鉄パイプを握る。
「ガキがそんなにいきがるなよ、今楽にしてやるからさ!!!」
赤い目の男はこちらに向かってくる。
少年は鉄パイプを引きずりながら、男に向かう。
死にたくない。死ぬ。死にたくない。死ぬ。死にたくない。自問自答を繰り返す。
男は鉄パイプを持った手を蹴った。
カラン。カラン。転がって行く。
「食物連鎖ってしってるよなぁ??お前はここで俺の糧と成るんだよぉ??」
「糞。。。。」
楽しかったこと、辛かったこと、笑ったこと、色々なことが頭に浮かぶ。何でこんなことになったんだ。。。
男は少年を持ち上げると首に噛みついた。
意識が遠退く。あぁ。。母さんごめん。。
ザクッ
「うっああ。。」男がうろたえる。
「あんまり人の縄張りで暴れないでくれるかな??」二人組の明らかに高校生ぐらいの見た目の少年がそこにいた。
「テメークロウリーのとこの!!」
「吸血鬼の王を呼び捨てとは、ずいぶんと偉い立場になったじゃないか、ザザ」
「黒、クロウリーのペットが。」
「あはははペットだってさ、黒!お手!!」
「うるさいぞ白!!」
「白黒兄弟かよ。くそっ!!」
「あーーーその呼び方嫌いなんだよね。」
「同感だ。」
「とりあえずその子はなさないと殺す」白がザザを睨み付ける。
「くそ!!!」ザザは刹那を白に向かって投げつけた。逃げ出した。
「その子をクロウリー様に届けておけ!!」黒が白に言う
「黒はどうすんのさー??」
「奴をおう!」
「やめときなって!僕たちじゃチェイスを殺せないよ。」
「わかっているアジトを探すだけだ。」
「気を付けなよ??」
「あぁ。」黒はザザを追っていった。
「この子がクロウリー様が言ってた予言の子とは思えないんだよなぁ。。」白も刹那を抱えその場を後にした。