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2-D100-22 タカマツによる報告書4

報告書。

その4です。



 親愛なる宰相閣下へ 忠実なる部下より


 ロンドール候と北へと航行しているのは、ガレオン二隻で構成された船団でした。

 奇妙な事に、それはダニエル船団、通称『ウイング オブ ヒュブリス』と言い、船籍も母港もヘルザーツではあるものの、実際は我が国の船・人員・装備なのです。


 普段は魔獣をハントしている連中で、今は人魚族を狩っておりました。

 無論、金の出どころは皇帝派です。


 詳しい理由はいまだ不明ですが、現在はヘルザーツの手を離れてロンドール候の支配下にあるとみてよさそうです。


 僕も汀と共に船団を追跡しています。

 彼らは少し大きな港があると必ず立ち寄り、全ては無いのですが港湾施設や地方政府の庁舎、稀に裕福な市民の家屋を焼いております。


 事後の現場で調査したのですが、放火の犯人は間違いなくロンドール候で、殺人をも犯しています。

 もう全く別人のようで手に負えません。

 強さ的には、汀でも全く敵わないと思います。


 行動の動機としては、どうもヘルザーツを焼いた時と同じく、人魚ビジネスに関わった機関や人たちを対象にしている可能性があります。

 実際、先の「裕福な市民」も、過去に人魚族を取引した経歴のある者たちだからです。


 被害者本人たちは、自ら言いたがりませんでしたが。


 と言う事は、ロンドール候は今後マグヘイレンと、その先は我が帝国へと矛先を向けていくのではないでしょうか。

 もしそれを皇帝派へとうまく誘導することができれば……。


 いや、そこまで彼が辿り着ければ、の話ですが。


 マグヘイレンも手を拱いているままのはずがありません。

 まず間違いなく迎撃することになるのでしょう。

 あの特殊部隊「マグファイブ」の投入が有るかもしれません。

 もう接触したという噂もありますが、まだ噂だけと思われます。


 更に追跡を続けます。


 上手くいけば、ロンドール候とマグファイブの戦いを目撃できるかもしれません。

 情報収集もできれば儲けものです。


 閣下がファンであらせられるマグピンクも……。


 あ、残念でした。


 魔カメラをヘルザーツにおいてきてしまいました。

 旧タイプの重い魔カメラしか所有しておりませんでしたので……。

 良い魔カメラが有れば、マグピンクの雄姿も激写できたかもしれなかったのですが。


 残念です。


 ああ、チョー残念です。



――――



 フォルカーサ帝都メリッサの郊外。

 「宰相殿」の私邸にて。

 その宰相殿がタカマツからの報告書を手に叫んだ。


「なぁにが『チョー』だ! クッ、ええい、誰かおらぬか!!

 至急最新最軽量の望遠魔カメラをタカマツへ送れ!!!」



たまに「マグレンジャー」と誤記します。

もし間違っている所が有ったら、そっと教えてください。

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