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2-D100-14 タカマツによる報告書1

短いです。

タカマツ君の報告書その1です。



 親愛なる宰相閣下へ 忠実なる部下より



 汀の推測通り、彼女は……いや、彼はロンドール候でした。


 僕が候本人に言った根拠は2つだけでしたが、実は決定的な証拠がもう1つあったのです。


 それは、彼が汀を知らなかったこと。


 閣下ご存知の通り、候が変身しているユキ王女は、ワクワク王国の出身です。

 そして汀は、そのワクワクの守護神、ミツチヒメその人です。

 王女が汀の姿を知らないなどと言う事はあり得ないのです。


 僕がワクワクで彼女を殺した際、得た思念石で再構築した存在が汀です。


 それとは別に、ミツチヒメは自分が復活できるように仕掛けを作っていたらしく、ユキ王女やマリヴェラ候がロンドールに行く際に、そちらの復活したミツチヒメが同行しております。

 そのミツチヒメは、子供の姿なのだそうです。

 汀によると、子供の方は「魂のみで構成されている」からなのだそうです。

 どういうメカニズムなのかは「神族だから」とでもいう他ないのですが。


 従って、ユキ王女に変身でき、かつ子供の姿のミツチヒメしか知らない者は極々限られているのです。


 ヘルザーツにてロンドール候は、人魚の事を色々嗅ぎまわっていました。

 いかにも素人らしく無思慮で、もう少し続けていたら近衛兵が動き出していた所でした。

 近衛兵が動くのは、人魚ビジネスがヘルザーツ王族直々に手掛けているからなのです。


 このような田舎の町では、あれでは目立って仕方がありませんでした。

 ロンドール候が近衛兵如きに後れを取るとも思えませんが、こちらの邪魔をされても困ります。

 仕方なく、急遽僕の家にまた来てもらって、それ以上動かないように釘を刺したのです。


 人魚族に対する帝国老害達による「需要」も、それに対するヘルザーツ王族の「頑張りぶり」も、僕には見るに堪えない物でした。


 これは王城の協力者から聞いた話なのですが、ここ1年人魚の捕獲数が減った為に、人魚に子供を産ませ、育て、その子を「出荷」するような体制を整えたそうです。

 やはり閣下はご存知でしょうが、人魚族には男子はおらず、繁殖期には人間の男を利用して子供を作ります。

 その子供は全員女性で、人魚族となるのです。

 そして、その子は不思議な事に生後数か月で人間の子で言うと3歳位にまで育つ……。

 人魚族の妖精の末裔たるゆえん……ですが、彼らはそこに目を付けたのです。


 閣下が命じられた通り、僕は本来情報を集めつつ、王国の各地に存在する反政府組織や反鉱山組織に徐々に浸透し、皇帝側に渡る資源を減らす役割でした。


 ……ミツチヒメを落とすような重要な仕事は、そうそうありませんですものね。


 それでも、今回はその場で決断しました。

 ロンドール候をヘルザーツ王族にぶつけるのです。

 大使にも話は通しておりませんでした。

 緊急の判断と言う事で、ご容赦願います。


 案の定、ロンドール候は話に乗りました。

 為政者にしては、少々正義感が強すぎるかもしれません。

 そして、それが災いしたのです。


 → to be continued


――――


 フォルカーサ帝都メリッサの郊外。

 「宰相殿」の私邸にて。

 その宰相殿がタカマツからの報告書を手に叫んだ。


「おい! なんであのバカはこう細切れに報告書を寄越してくるんだ?? 

 → to be continuedって何この矢印。舐めてんのか???」


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