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御伽噺に導かれ異世界へ  作者: ペンギン一号
まさかの地球で激闘が
35/75

街中 見学 現代で



地球へと戻ってきた次の日、俺達は街へと訪れていた。

今日はコアとチコの双子と共に二人の日用品を買う為に近くの商店街を見て回っている。

初めての街並みに二人はハイテンションで色々な所へと引っ張られながら連れていかれている。


「お兄ちゃん…次あそこ行きたい…」


「違うよ!兄ちゃん次あそこがいい!」


「はいはい、全部連れてってやるから喧嘩するんじゃないぞー」


「「やったー!!」」


まったく…しょうがないな。

紡は微笑みながら二人の気の向くまま見回っていた。



「次はここ!」


コアが指差した先は文房具屋だった。

へえ、こんなとこにこんな店があったのか。

初めて入る店に楽しさを感じながら入っていく。


「「凄い!いっぱい!!」」


おお、これはすごいな。

そこには色とりどりの文房具が並べられており、珍しい事に、色々な種類の筆や、炭などまで数多くの書くための道具が並べられていた。

なかなかの広さの店内を埋め尽くすほどの数に紡は圧倒される。


「いろいろ見てもいいけど商品を傷つけないようにしておけよ」


「「はーい!」」


元気な返事と共に店内見学へと駆け出していく。


二人が帰ってくるまで俺もいろいろ見て回るか。

折角だし、普段使わない筆なんて見るのも面白いかもな。

そんな事を考えながら筆コーナーに行く。


そこには巨大な筆から小筆まで様々な数の筆が所狭しと並び、書道の奥深さを感じさせる。

書道ってこんなにも沢山の道具を使うのか…知らない世界を見たようで面白いな。

一人で楽しさを感じながら見て回る。


その中には高級筆のコーナーもあった。

うお!?これなんだよ…こんな普通そうな筆が7万円とか。

うわ…この小筆なんて10万円だよ。

予想してた考えていた数十倍の値段じゃんか…


そんな事をしていると、筆コーナーの端に一人の和服の女の子がいるのが目に入る。

結構年季の入った筆を真剣な目で見つめているようだ。

へぇ、あんな今時の若い子も筆を買ったりするんだな。

まぁ、服装が和服だしお家柄とかなのかな?

そんな事を考えていると…


「お姉ちゃんさっきから何を見てるのー?」


見知った男の子がその子へと声をかけていた。

はぁ…間違いない、コアだな。邪魔になるだろうし謝りにいくか…


「新しい筆を買いに来たからどれにしようか見てたのよ」


「そっかー」


よかった、少女はどうやら優しい子のようだ。


「あっ、兄ちゃん!」


気づいたコアがこちらに駆け寄ってくる。


「あー、ごめんなうちの子が迷惑かけたようで」


「いえ、大丈夫ですよ。寧ろ、そんな可愛らしい子に声をかけてもらえて嬉しかったですよ」


うちの子の可愛さがわかるとはこの子はなかなかできるみたいだな。


「そうか、ありがとうな」


「そうだ!兄ちゃん、このお姉ちゃんに筆選んであげたらいいよー」


ん?ああ、そうか鑑定で選んだらいいってことか。


「兄ちゃんはね、良いものを見つけるの得意だから任せてみると良いよー」


まぁ、折角の出会いだ、選ぶくらいならやってあげるとするか。


「そうだな、迷惑の詫びというわけではないのだが、選んで見ても良いか?買うかどうかは、もちろん君が決めてもらって良いからさ」


俺は選ぶだけ、あとは自主判断で選んでもらえれば良い。


「そうですね、迷っていましたし是非選んでいただけますか?」


「任せてくれ」


よし、見てみるか。これは…微妙、これも微妙。これは保留っと。

色々と鑑定をかけているとその筆コーナーに一箇所違和感を感じる。


なんだこれ…鑑定をかける。そこにあったのは…




龍筆(りゅうひつ)(隠)】:龍の髭を使い作られた筆でありかなりの力を持つ。

この筆で書かれた文字にかなりの力を与え、文字を昇華させる。

筆自体の力のためか軽い隠匿がかけられている。




一本の筆があった。

おっ、これ良くないか?龍とかはよく分からんが、たしか書道で力強い文字って評価されてたはずだし、文字を昇華って事はもっと良い文字が書けそうだしな。


「パッと見た感じだと、一番良いのはこれだな」


「えっ…そんな筆何処にありました?」


「ん?普通に置いてあったよ」


「そうですか…」


俺は少女に筆を渡す。筆を持ちながらじっとそれを見つめ、少女は固まってしまった。

おー、気に入ったのかな?まぁ、あとはあの子が選ぶ事だ、俺たちは行くとしますかな。


「じゃあ、俺達は行くからあとは自己判断で選んでくれよな」


「え、あっ!すみません、筆を選んでいただきありがとうごさいます!」


そんな礼を言われるようなことはしてないんだけどな。


「それじゃあな」


「お姉ちゃんばいばーい!」


俺達はその場を後にした。



店の中でカラフルな消しゴムを眺めていたチコを連れて通りへと戻ってくる。

さて、次に行くとしますかね。

まだまだ元気な双子からリクエストがすぐに上がる。


「お兄ちゃん…次あそこ行く…!」


次はチコの番か。連れていかれた先は本屋だった。広い本屋の中雑誌から小説、漫画に至るまで様々な種類が並んでいる。


コアはすぐに絵本コーナーへと行き、色々と見ながら喜んでいた。


「お兄ちゃん…」


「ん?どうした?色々と見て来ても良いんだぞ?」


すると首をふるふると降り、抱きついてくる。


「お兄ちゃんと…一緒行く…。さっきコアが一緒だった…次は私の番…」


どうやら、さっきのコアが羨ましかったようだ。


「そうだな、じゃあ俺と一緒に見て回ろう」


「うん…」


それが嬉しかったのか俺の袖を引っ張り連れて行く。

今までちゃんとした妹なんていなかったからな…妹ってこんな感じなのかな?

引っ張るチコに可愛らしさを感じながらついていった。


連れていかれた先は雑誌コーナー、漫画雑誌から情報誌まで揃ったなかなか広めにとられたブースであった。

棚に挟まれ狭い道を引っ張られながら進む、その時…狭い通路のせいか近くにいた客と誤ってぶつかってしまう。


「あ、すみません」


「いや大丈夫だ」


ん?どっかで聞いた声だな?

振り返るとそこに居たのは…



姉御であった。


「し…篠上先生!?」


「ああ御伽か奇遇だな」


まさかこんなとこで姉御に会うとは…

そんな事を考えていると篠上の視線が紡の横に向いて行く。

あ、まずくないかこれ。

チコをじっと見つめ、動かない篠上に紡は冷や汗が止まらない。


そしてついに動き出し一言…






「お前、何処で攫って来た?」



いきなり犯罪者扱いだった。


「いや!攫ってませんよ、知り合いの少女を預かっているだけです!」


必死に脳をフル回転して言い訳を話す。


「そうか…教え子が彼女ができないからと、犯罪に手を染めたかと焦ったぞ」


いやいや、彼女はいないがだからといって、少女を誘拐なんてしねぇよ!


「ははっ…そんなことしませんよ」


「それにしても、最近の子は仮面をつけたりするんだな」


「ええ、ファッションらしいですよ」


完全なる嘘である。


「最近のファッションはよくわからないな」


なぜか、一応信じているようだ。

この状況に紡はかなり焦っていた。


このままの状況ではまずいな、どうにか話を変えなければ。


「先生がこんな店にいるなんて驚きですよ、一体何の雑誌を見ていたんですか?」


「っ!?いや、まて」


これかな?手に取った雑誌に書かれていたのは…














【夏の大特集!心温まる結婚をするためには〜素敵な出会いを貴方へ〜】




やばい、今笑ったら殺される。




流れ出る冷や汗がとまらない。俺はぎこちない動きでそっと雑誌を戻す。

未だに無言で俺を見つめてくる姉御が怖い…

考えろ!ここで気の利いた一言を返すんだ。失敗したら処刑だぞ。

急いで灰色の脳内をフル回転するんだ!

極限の中、俺の脳内により素早く返答がはじき出される。











「篠上先生、欲求不満なんですか?」




「コロス…」



どうやら俺の脳内は腐っているようだ。



やばい!地雷を踏み抜いた!!

虚ろな目でこちらに一歩ずつ近づいてくるその姿はカースフェンリルすら軽く越える恐怖だった。

プルプルと震えながら動けずに固まっていると、


「ちっ…子供の前で血を見せるわけにはいかないか…」


その目線の先には俺の手を握りよく分かっていないままのチコがいた。

た…助かった。チコがいなければ俺は血を見る事態だったのか…


「御伽、次に会う時を楽しみにしているよ」


肩に手を置き威圧を放ちながら店から出て行く。

手を置いた瞬間に肩からは「めきょっ!」という音が鳴っていた。


「チコ、ありがとう…お陰で生きることができた」


「むー…よくわからないの…!」


そこには疑問顔の女の子を、震える手で抱きしめ、感謝を呟く少年がいた。




絵本コーナーで楽しんでいたコアを拾い、本屋を後にする。その頃にはすっかり時間が経っていたので目的地の店へと向かい、生活用品を買っていく。

自分のものが嬉しいのか、二人は真剣な顔で選んでいた。


「ふぅ、いるものは全部買ったな。家に帰るとするか」


「「帰るー!」」


皆で手分けして買い物袋を持ちながら歩いて帰る。


「また一緒に行こうねー!」


「私も…一緒…!」


「ああ、今度は他のやつも一緒に行くとしようかな。皆で買い物も楽しいだろうしね」


そんな話をしながら帰る3人は本物の兄弟のように、暖かい空気に包まれ、茜色に染まる夕暮れの中を楽しげに歩いて帰って行った。







――――――――――――――――





Side ???



「ここは何処なのです…?」


見慣れない屋敷を前に一人たたずむ女の子。

目の前には古びた日本家屋が佇んでいる。


見知らぬ人間に殺されかけ、命からがら逃げ出した女の子は戦闘の後遺症か、道半ばで気絶した。

私は何処にきちゃったのです…?

眼が覚めると、倒れた時の光景とは一変し、見たこともない風景が広がっていた。


ここは何処なのかなど、疑問は残るが…


「分からないけど、ここはとても心地よい雰囲気がしていい場所なのです…」


この場所が気に入った女の子は、少しの間庭先の木下を借り、休憩をする事を決めた。


木々に夏の日差しが遮られ、涼しい風が吹く中、女の子は眠りについていく。

いきなり命を狙われたせいか、ずっと気を張っていた女の子は直ぐに眠ってしまった。


差し込む日差しの中、木下に丸まって眠る女の子はその風貌もあり、地球ながらに幻想的な雰囲気を醸し出している。



そこに現れる一つの気配…


「にゃ?お気に入りの場所に誰かいるのにゃー」


この出会いにより紡は地球での騒動へと巻き込まれていく。

それは奇しくも、昔紡の目指した陰陽師との戦いであった。







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