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明日は見えない
此の頃
印刷物の罫線を引いたり、
カット(挿絵)を描かせて頂いたり、
様々な印刷物のレイアウトを学びましたが、
デザインのホンのイロハのイ位でした。
慢心するどころじゃ無い。
もっと面白い仕事は無いか。
欠食児童のようなものでした。
その頃、
イレストレーターのT氏が
会社を辞め
下町で独立をしました。
結局彼について行ったのですが、
個人の事業なので、
そう派手派手しい、
面白いほどの仕事は有りませんでした。
前出の会社は二年程で、止めたんですが、
石の上にも三年は持ちませんでした。
その後も、新しい仕事を求め、
東奔西走、
随分彼方此方に
不義理をし続けたのでしょうが、
若かったんですね。
堪え性が無かったと云えばそうでしょう。
しかし、新しい時代を作ろうと云う世代には
許されるのではというのは
世間の目からはどう映るでしょう。
T氏の会社では更に
色々の事を学び、
カメラマンの立ち会いで、
遠く迄、
建て売りの現場撮影にも
随分行きました。
若い経営者でしたが、
更に若い子を
育て、喰わせる為に
必死だったんでしょう。
みんな夢中でしたが、
明日は見えませんでした。




