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いい右ストレートを君に
「あ! こらエディー!」
「んあ?」
ゆっくりと自分を振り返る、まるで神様の贈り物のように美しい少年。
「何回舐めるなって言ったらいいんだ?」
「だって……痛痒いんだぞ、仕方ないだろ!」
ぺろ、と虫刺されで赤く腫れた部分を舐めていたのを止め、腕を取る。
「痛痒いからって、駄目だろ?」
「わーったよ」
むすっとした顔でごそごそと何かを取り出す。
「……ハンドクリーム?」
「おう」
頷いた後ぱかっと蓋を開け・・
「って待て、駄目だろ!」
「うわ、なんで!?」
もう片方の手も掴み、両手ともをしばる。
「そんな事しても意味ないから! ね!」
「あるってば! 治るんだぞっ!」
「ないよ!!」
ぷくっと薔薇色の頬を膨らませる、エディス。
「仕方ないなぁ」
ぺろっと赤くなった部分を舐めてみる。
「う、うわっ! なにすんだっ!」
「舐めれば治るんだろ?」
「馬鹿!!」
「ディー兄さ~んっ! って、なにこれ。なんでギー兄さん死んでるの?」
「……物凄いいい右ストレートくらいました」