余りにも馬鹿すぎた勇者(私)に魔王(保護者)が家庭教師を寄越してきた
『余りにも馬鹿過ぎた勇者(私)に魔王(保護者)が頭を抱えた』の続編です。
続きが読みたいという嬉しいご意見を頂き調子に乗って書きましたぁあヽ(・∀・)ノ!
駄文です低クオリティです。
どうも、スーパーの帰りに名前すら分からない異世界にいきなり呼び出されてその上いきなりジジイに魔王と言う名のラスボスの元に飛ばされてしまった、レベル1であろう…いや絶対レベル1の勇者(?)な私こと夕凪茉火〔ゆうなぎ まこ〕です。
そして現在、そのラスボスの魔王さん宅で居候させてもらってます。
…………奴隷として。
いやいやいやいや!?私奴隷じゃないからね?むしろ勇者、この魔王さんをぶっ殺しに来たらしい勇者だからね!?
なぜ私が「自分は奴隷です!」な宣言紛いをしたかというとこれには浅くも深くもない理由がありまして………、なんでも先日「あ、まだ自己紹介してなかった」なんてことを思い出して魔王さんに自己紹介したところ人間が魔族に名前を名乗るのは隷従の表しだとか。
えっ……レイジュウ?いや、うんまだ意味とか分かんないけど取り敢えず魔王さんは私を奴隷にするわけないって。だからあの自己紹介は普通の自己紹介ということになった。
助かった…私はまだちゃんとした人間だよ……!
ちなみに魔王さんの名前はギルクライシャス・なんちゃら5世とか。ごめんなさい覚えれませんでした。
略してギルと呼べとか言われたけど今まで通り魔王さんって呼んでます。
「えっとねぇ、隷従って言うのは簡単に説明するなら『はぁはぁ、魔王様ァその麗しい御見足でこの私めを御踏みくださぃぃいい!』ってヤツかな?」
「うん、それ絶対違うよね。私そんなドMの性癖なんかないよ」
「あっごめんねぇ間違えたよ。『嗚呼私めは貴方様の盾となり剣となりこの身が尽きようとも貴方様に付き従います』だったかなぁ?」
「なんか合ってるようで違う気がする。いや待てよ、……ハッ、合ってるのか!」
「どちらもデマですよお馬鹿さん」
「イタッ!」
パコンッと頭を叩かれる。軽い音の筈なのになんで頭の中にズンって重く響くの?目の前がチカチカするし、ものスッゴク痛いんだけど何で叩いたんですかラウディンさん!?
私の頭を叩いてきた切れ長の紫色の瞳に後ろで一括りにした紅色の髪のイケメンの人、つうか悪魔さんの名前はラウディン・べぃる…べ、べぃるしゃ…あ、無理言えない。長いし発音しにくいんだってこの人の名前。
まあこのラウディンさんは敬語キャラの毒舌野郎なんだが…(え、なにその美味しいキャラ設定とかおめ、思ってもないからね!)この魔界で魔王さん直属の配下の1人という大層偉い地位にいるらしいんだ。
そして頭も大層良いらしく魔王さんからこの魔界の財政管理を任されているんだって。
うはー、ハイスペックイケメンってな訳ね、爆発しちまえ!
「貴女 今、失礼なこと考えませんでした?」
「うぴょぉっ!?いえいえメッソウもありましぇんよ!?」
「カミカミだよぉ勇者ちゃん?」
「なんのことやらサッパリですなアルスーラさん!」
語尾を伸ばしながらゆったりと喋るオレンジ色の腰まで長い髪、黄色の綺麗な瞳をしている白くキメ細やかなもっちり肌をしたスレンダーボディのお姉様…と見せかけたお兄様。えっーとこのアルスーラ・イキュラさんは世間一般でいうオネェと呼ばれる方です。
この人、女である私より綺麗だよ美人だよ羨ましいYO!!しかもこの人この見た目で武将だって、ものスッゴク強いんだって。
……見た目も良くて強いとかさ…クッソ!惨めじゃねぇかコノヤローっ!!
そしてこの大変見目麗しい2人はなんと魔王さんが余りにも馬鹿すぎた私に寄越した家庭教師なのである!
ねぇ、これ泣いていいかな?なんで平凡でちんちくりんな私にこんな大変麗しい方達を寄越してきたんだろう?
いいよね泣いてもいいよね?
そう思いながらも勉強という名のリンチが始まるのだ。
その手始めに私は隷従のことについて教えてもらっている。
「隷従と言うのは人間が魔族に恐れ平伏し死ぬまでこき使われることを自ら認めるのを本名を差し出し誓うという行為です」
「……なんで本名を差し出すの?」
「名前、本名というのはその本人を縛ることが出来きます。名前というのは昔からそのモノ自体の存在を表しますからね、それを差し出すことにより『私は貴方のモノになります』という意味があるんです」
「…え、なにそれ卑猥!」
「お前の頭の中はピンク1色なのですか?んっ?」
ひぃいっ!?
笑顔でそう爽やかにいうとか怖いよ!私はアルスーラさんの後ろに隠れる。いや、このアルスーラさんもアルスーラさんで恐怖の対象だけども、まだこの人の方がまだマシだ!
「アラ、あたしの後ろに隠れるんだぁ。かっわいいねぇ」
「うひぃぃい!?」
やば、ぞわって、ぞわぞわってきた。変な手付きで頬を撫でられて鳥肌が立ったよ!
うわっちょ、むり、このふたりが家庭教師とかやっぱりムリだよムリゲーすぎるよ魔王さん!
「さあ、勉強しましょうか勇者さん」
「さっ、勉強しぃましょっ、勇者ちゃん?」
私の前でニコニコ綺麗に笑う2人組に私のいろんな容量が耐えきれなくなったのを感じた。
もう、前が冷や汗で見えねぇよ。
「…………ま、魔王さぁぁぁぁぁああああん!!!!! もうこの2人嫌だぁああああ!!」
「!? どうしたマコ!?」
「この2人が家庭教師とか嫌だよ!!もういろんな意味で私が死ぬっ!!てか死んでいい?ねえもう死んでいいかな?」
「おち、落ち着けマコ!一度落ち着くんだ!」
このあと、魔王さんにお菓子やらお茶やら貰って宥められて家庭教師を替えて貰うことが………出来ませんでした。
………はい、当分この世界のちゃんとした知識がつくまでこの2人に教えて貰うことになりました。
ああ、あとこの時気が付いたけどあの人何気に私の名前呼んでたね。
もうあの人本当にお父さんっていうかお母さんだわ。なんだろ、無性に「お母さん」って呼びたくなるのは。
私を宥めるために魔王さんが持ってきてくれたあのお菓子はまさかの魔王さんの手作りでお茶はまさかの魔王さんが淹れてくれたんだって。
……え、普通に美味しかったよ。休日にエプロン着けて料理とかしてそうだよ!
「はい、じゃあ魔界に1番近い人間が住む国の名前は?」
「いんっ、インディヴィーナ!」
「じゃあこの魔界の名前はァ?」
「………じゅっ、じゅで、………………よ、読めるかぁあぁああ!!」
そんなこんなで魔界ジュディアーリに今日でまだ1週間、未だに帰れる見込みがないまま私、夕凪茉火は今日も今日とて大変麗しい家庭教2人に板挟み授業。
…ああ、私はいつ元いた世界に帰れるのかな、なんて遠い目をしつつ魔王さんの手作りお菓子を食べた。
サクッとした甘さ控えめなクッキー、中にはこれまた魔王さんの手作りらしい何かの果物のジャム入り。
相変わらず魔王さんの作るお菓子は美味しかったのが余計私を空しくさせた。
………魔王さん、アンタ以外と女子力が高すぎますよぉ!
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キャラクター紹介
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▽夕凪 茉火
〔ゆうなぎ まこ〕
勇者レベル:1(?)
体力:160
知能:50(通知表はオール3)
家事力:0
どこにでもいる女子高生。
ついこの前に可愛い双子の妹達が出来たばっかりのお姉ちゃん。
1週間に薄口醤油を買いに行ったスーパーの帰りに何故か説明なし(正しくは聞こえてなかった)に魔王の元に勇者として飛ばされた、らしい。
現在魔王城にて居候中。
▽ギルクライシャス・ギッシュ・メューイク5世
魔王レベル:9999(つまりMAX)
オカン力:6500(主人公の見立て)
イケメンな魔王。名前は略してギルまたは魔王さん。
ラスボスの中のラスボス。ご本人は久々の勇者登場を楽しみだったようだが余りにも馬鹿過ぎた勇者に頭を抱えた。
そして何か母性(笑)を感じ?勇者の保護者になり只今勇者が帰る手段を捜索中。
▽ラウディン・ベィルシャティカ
悪魔レベル:7500
知能:8800
毒舌:7010(主人公の見立て)
魔王の配下。
かなりイケメン。ハイスペック悪魔。財政管理を任されてたりする。
現在余りにも馬鹿過ぎた勇者の家庭教師も務めている。
▽アルスーラ・イキュラ
悪魔レベル:7500
知能:7800
オネェ:9000(主人公の見立て)
魔王の配下。
すんごい美人、かなり美人、女すら惚れ込みそうな美人しかし性別野郎な武人。現在余りにも馬鹿以下略な勇者の家庭教師その2を務めている。
▽ジュディアーリ
現在勇者が居候中の魔界の名前。
詳しいことは不明。
▽インディヴィーナ
魔界に1番近い人間が住んでいる国の名前。
詳しいことは不明。