出会い
「はぁ、はぁ・・・」
青年はひたすら走る!
「逃がすな!なんとしても捕まえろ!」
一人の青年に対して6〜8人の兵士が追う。
その青年は政府の人間に囚われていた魔法使いの一人だった。その青年の名はレザード・ヴァレス。身長は175前後、18歳だ。彼は危険とみなされ政府に捕まったが逃げてきたのだった。レザードは政府の城を出たところにある森をさまよっていた。このままでは追いつかれる。そんなときだった。
「こっちへ来い!」
何者かがレザードに向かって叫んだ。身長は170ぐらいで、レザードより少し低く、20歳ぐらいだ。レザードに迷う暇はなかった。
“くそっ、このままでは捕まる。今疑っている時間はないな”
レザードはその男に向かって走った。兵士たちもその男に気づいたようだ。
「何だ、そこにいる男は!怪しい奴だ、二人とも捕まえるぞ!」
レザードはその男へとたどり着いた。
「何だ、お前は?俺を助けようとしているのか?このままではお前も捕まるぞ!」
「今説明する暇はない。俺の後ろへ行け!」
レザードは彼の考えが全く分からなかった。だが言うことを聞き、彼の後ろへと行った。しかし、彼は立ち尽くしたままだった。
「何をしている?!急げ!」
すると彼の手が光る!
「プリズミック・スター!」
彼の手からいくつもの小さな光が飛んでいった。そして、光が兵士の周りを囲むと同時に兵士の動きが止まった。
“!!!!!!”
レザードは驚いた。彼は自分と同じ魔法使いだった!彼は
「これでよし。さぁ、今のうちに逃げるぞ!」
「ちょっと待て!お前魔法使いだったのか。」
「そんなのはあとだ。僕の名前はネロ。まずは僕たちの住んでいるところに来るんだ。」
レザードは納得がいかなかったが、助けられたので仕方なくネロについていった。
魔法使いにはいろいろなタイプがある。どうやらネロは光を操るタイプらしい。しかし、レザードは自分の魔法のタイプがよく分からずにいたのだった。レザードは魔法が自由に使えないときがあった。
レザードはネロに案内され森をぬけ、岩山の山脈へ向かった。やがてレザードとネロは、ネロたちが住むという広場にたどり着いたが、そこは何もない崖に囲まれたただの広場だった。
「何もないじゃないか!」
レザードがそう叫ぶと、少しずつ何もない広場から一つの集落が浮かび上がってきた。レザードは口をあけ、目をこすっていた。ネロが勝ち誇ったように言った。
「何も無くはない。見えなかっただけだ。」
やがて完全に一つの集落が出てきた。
“なるほど、さすがは魔法使いの住む村だ”
「さあ、入ろう。」
レザードは村へと足を踏み入れた。