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怒れる犬と虎

続読ありがとうございます。

 11.



 「納得いただけましたか?」


 頷かざるを得ない。

 有無を言わせぬという視線に気圧される。


 「ならば、今度はこちらから質問させていただきます」


 彼女が言いたいことは理解していたし、彼女の推測が正しいことも分かっていた。

 「言う必要はないだろう」

 完全に分が悪いのだ。

 これは、手を誤ったと言うしかない。

 「クジェトリム、王家の虎の名を継ぐもの」



 『羊飼いと白金の獣』をスムーズに理解したのは似たようなお伽噺を義理母から聞かされていたからだ。

 『虎と獅子』という物語だ。

 

 虎と獅子は力を合わせ、世界を纏めていたという。

 どちらも強く、周りの動物たちが歯向かうことなど無かった。

 次第に虎と獅子は意見が対立するようになり、とうとう虎は姿を見せなくなった。

 ところが、長く時が経つにつれて獅子は力を失っていく。

 それにつれて獅子への敬意は薄れ、命を狙われるようになる。

 それから、しばらくすると獅子も姿を消し、世界は荒れた。


 その中で、支持を得る存在が現れる。

 若い虎と若い獅子。

 獅子に襲い狂う者を叩き潰していく姿は周りに恐怖を与える程であったという。

 若い獅子は正しい道を示し、虎はそれを疑わなかったという。

 虎は世界が平らかになり、再び背を向けようとしていた。

 獅子が吠え、虎は平伏す。

 虎は獅子を守り、必ず側に控えたという。



 「名を受け継ぐものとして、殿下を巻き込むとはどういうこと?」



 家の名を継ぐものとして殿下が生まれてから、王宮に通い、殿下と過ごした。

 実の弟のように見てきた彼を危険な目に遭わせた。

 回復してきたとは言え、体の弱いブランも巻き込んだ。

 私の大切なものを傷つけるものは許さない。

 「私を試すなら、もっと違う方法があった」

 本当に使える駒か試そうとした。

 誰も知る筈の無い勉強会…それが外に漏れた。

 それは何故か?

 「私を舐めてかかり過ぎよ」



 槍を持ち替え、一気に間合いを詰めた。

 刃の先には敵の咽もとだった。



今回短いですね、ごめんなさい。

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