プロローグ
連載は投稿しないと言いつつ…やってしまいましたごめんなさい。
突如浮かんだ彼女の職業、これは書いたら楽しいな…と。
連載が苦手な私なので不定期ですが、どうぞ彼女ともどもよろしくお願いします。
「何なのよ、この部屋は!!!家畜の方がまだ綺麗好きだわ…。」
私の職業は女中。しかし、これをタダのメイドと言う勿れ。
えぇ、発言が女中らしくないことは重々承知しております。
…そこではありませんので安心してくださいまし。
でも、でもなのよ?これは無いじゃない、タダなら!
美しい絨毯(正確には美しかった)には赤い染み…流石に血ではないだろう。
指で掬って匂う…ケチャップ。毛足の長い高級絨毯との相性は最悪。
それだけなら可愛いものよ?誰しも失敗くらいあるしね。
「パンかなんかと間違えたのかしら、ね?」
マスタード、ピクルス、チーズ(犯行時にはとろとろに溶けた状態と思われる)、レタス、ハンバーグ。
はて、気位の高いあの方たちがこれらを手に入れられる場所に出向…けるわね。
「あーあ、昼無し決定」
小さく呟く声が聞こえたのかどうかは分からないが…クスクス笑う声がする。
無視なさい、此処のお給金がどれだけいいか思い出すのよ。
固く目を瞑り、吊り上がる眉尻を無理やり下げる。
薄く瞳を開けて、
「…」
感情を塗り替える。
ぽろぽろ涙を流す。
相手を満足させなさい、そうすれば嵐は去る。
嵐を耐えれば、夢を掴めるわ。
目指せ!賃貸脱出、隠居生活☆