最初で最後のピクニック
最初で最後のピクニック
あなたが頑張って生きることに疲れたならば、きっと、わたしは生きてほしい、とは云えないでしょう。
ならば、せめて。
最初で最後のピクニックをしませんか。
生き続けることをあきらめるのは、そのあとからでも決めてもいいんじゃないでしょうか、だって、あなたとまだピクニックしたことなかったのですもの。
あなたとたくさん想い出を作りたいなんて、ただのわたしの我儘です、エゴです。
あなたの苦悩なんか、きっと、わたしには解らない。
解らないけど、あなたとずっといっしょにいたいのです。
だから、最後にわたしの我儘を聞いてくれませんか。
コンビニで買ってきたおにぎりとかたまにはぜいたくにレジ横のフライドチキンとかもおともに100円ショップで買ったレジャーシートを敷いただけの映えないピクニックですけど。
そんなインスタに載せられないようなピクニックでも澄んだ冬のはじまりの空気を吸いながら夜空に咲く星々を眺めながらするのは、きっと、たのしいですよ。
どうですか、ピクニック、いっしょにしませんか。
それからさきのことは、ちょっと後まわしにしませんか。
いきたくなりましたか、では、まずコンビニに寄りましょうか。
実は、レジャーシートはもうすでに買ってきてたのです。
ピンクのハートのかわいいレジャーシートです、それなら見栄えも狙えるし視覚で楽しめるでしょう?
コンビニになら、かわいいコンビニスイーツとかもありますよ。
最後かもしれないのなら、せっかくだし潤沢にかわいいスイーツやフルーツで揃えたりしましょ?
よし、コンビニでマカロンと期間限定キャラものコラボのプリンとあなたの好きな抹茶ドリンクとわたしの好きなミルクティーが買えましたね。
実は、ごはん系は、もうすでに作ってきてたんです。
粉末スープの素で作ったコンポタージュおにぎりとトマトおにぎりです。
ずっと、あなたに召し上がってほしかったのです。
たんと召し上がれ。
ちょっと重たいから持っていただいてもいいですか。
わあ、さすが!ずっと筋トレ頑張ってましたものね。
またいっしょに筋トレしたいです、ボクシングのやり方もまた教えてください、約束ですよ?
こうしていっしょに散歩するの、ひさしぶりですね。
いっしょに夜の道を歩くの、好きだったのです。
いえ、好きなんです、あなたとこうして歩く時間が、好きなんです。
ずっといっしょにいたいのです、そんな我儘を叶えてくれませんか。
夜空を眺めながら、いっしょにおにぎりを頬張り、デザートにコンビニスイーツと好きなドリンクをいただきながら今日はいつもよりも子どものような無邪気に笑うあなたの姿を写真に収めた。
あなたは、写真が嫌いだっていってたから罰を与えてやりました。
だから、わたしの我儘叶えてね?
わたしに捕まったことを、後悔しながら生きながらえなさいな、これからも、ずっと、ずっと。
写真に写ったあなたは、すこし困ったように笑っていた。
それからさきのことは、アルバムに残してるからまた今度、ね?




