チュートリアルワールド
「すっげぇ…」
多くの人が様々な見た目をして様々な会話をしている…
屋根がなく広々とした空間は、まるで本物かのような日の光が差す。
「えっと…まず何をすればいいんだ?」
ひとまず壁に書いてある説明のようなものを読んでみる。
「やっぱ荒らしとかあるんだな~」
でかでかと【荒らし対策】と書いてある注意事項を見ながらそんなことをつぶやく。
「ほかにもアバターの表示方法や変更方法…要するに見た目を変えれるってことだよな…」
あたりを見渡してみると様々なアバターをしたプレイヤーが多くいる。基本的にはかわいい女の子のアバターをしている人が多い。
(かわいい…)
だがvcからは男性の声が聞こえてきている。
(見た目に騙されないようにしないとな)
そんなことを思いながら壁に視線を戻す。
すると視界の隅に何やらもこもこが映り込んだ。
「?」
「……?」
そこにいたのはもふもふの尻尾をはやした小さいマスコット風の女の子アバターだった。こっちをみてコテンと首を傾げている。
「えっと…こんにちわ…?」
「!!」
両手を上げてぴょんぴょんと跳ねる女の子。
(かわいい…)
てくてくとこちらに歩いて見上げてくるとなにやら考え込むような動作をしたのちぱぁっと目をキラキラさせてどこかを指さした。
「フレンドの作り方…?」
「!!」
小さな手で女の子は自信を指す。
「送ってみろってこと?」
「!」
コクコクと頷く女の子に俺は壁に書いてある手順にそってフレンドを申請してみた。
「!!」
キラキラの眼をこっちに向けて女の子はぴょんぴょんとジャンプしている。
「かわいい…」
「?………!!」
俺がそうつぶやいたと同時、その子は一瞬固まって首をかしげたがやがてこっちに近づいて両手を広げてきた。
「え…えっと…こう?」
俺はしゃがんでその子の前にすわり同じように両手を広げる。するとあっていたのか、その子はぎゅうぅっと抱き着いてきた。
(あったかい…)
「…ん……!」
心地よい感覚に包まれているとふと耳に入ってきた声…その声は男性の声だった。




