21.幼稚なヒロイン
そして会場中に響き渡るアリシアが依頼した賊達による
証言の音声。
賊達ははっきりとアリシアに依頼されたと言っていた。
そして、私はさらに追い込むよう
アリシアがラットベリーの香水を作れと依頼した手紙の内容をカリストの持っていた皆に見せることができる鏡を使って
会場中に見せつけてやった。
あらゆるアリシアの悪行を見て多くの人達は
蔑む眼差しでアリシアを見る。
アリシアの悪行の証拠を見た皇太子は顔を歪めて
アリシアから1、2歩後ずさる。
自分の行った悪行を晒されて受け入れられず
声を張り上げるアリシア。
「違う…違う私はあんなことをしていない。
あんたが捏造した証拠よ…っ
あなた達もそう思うわよね!?」
洗脳されている取り巻きの人達やその他の人達を見る。
けれど残念でした。
私のつけたキャセルグレープの香水のおかげで
皆、すっかり洗脳から解けてるの。
洗脳されていたと分かってから、アリシアを今いる人達と同じような眼差しで見た。
「アリシア様…本当に私達を洗脳して…」
「私達、アリシア様にいいように使われていたのね…」
洗脳されている人達は時すでに元の状態に。
味方はおらず皇太子にも見放され。
「あ…っ」と情けない声が漏れて
ガックシと蹲ると…。
「…なによ。ただ幸せを感じたかっただけなのに!!
なんでこんなことされなきゃいけないのよ!!」
といつもと違う姿に豹変した。
ギロリと睨みつけ兵士を振り払い突っかかろうとしてきた。
それを見たカリストが私の前へやってきて魔法でアリシアを制圧した。
魔法でまた床に叩きつけられてもなお睨む顔は変わっていなかった。
何か言いたげそうな顔をしているし。
ちょっとは聞いてみよう。この女の話を。
「私は、子爵家に生まれたけれど、幸せなんてちっともなかった…。なのにあんたは公爵家で愛されて幸せそうにして…!許せなかった!!だから、あんたの婚約者を奪ってやった。幸せを感じようとしたそれだけのことよ!!」
だから、私を陥れようとしていたのね。
わざわざ訳の分からない罪状突きつけて。
自分が幸せじゃないから他人の幸せを奪って幸せになろうだなんて
(馬鹿じゃないの?)
ああ…。あの時みたいにまたイライラしてきましたわ。
抑えなければ…と言いたい所だけど。
他人を不幸にして幸せになろうとするこんなヒロインに、ちょっと
お灸を添えよう。
「カリスト、魔法を解除して。」
「え?なんで?」
「ちょっとこの女に言ってやりたいことがあるの。」
「…分かったよ。」
そう言うとカリストは魔法を解除した。
身動きが取れるようになったアリシアに私は近づき
「何よまたなんか…」
何かを言おうとしたアリシアを無視して
私はアリシアの頬に1発お見舞いした。




