19.あなた達に裁きを下させてもらいます。
「え…!?」
カリストがそう言った瞬間、近くにいた兵がやってきては
アリシアをカリストやついでにルークから引き離した。
それからアリシアは兵に腕を捩り上げられ地面に膝をつかされる。当然辺りはザワつく。
そんな中で私は「嘘でしょ!?」という表情を浮かべ
アリシアを見ていた。
アリシアは何が起こったのか理解できずにオドオドとしていた。
「噂で聞いてたんだよね。ラットベリーを保管している栽培園の当主がとある方からラットベリーを元にした香水を作ってくれって、違法物なんだから当然断ったけど作らないと子爵家の力を使って栽培園を潰すって脅されて香水を作って送ったって。ラットベリーはとても甘い匂いが特徴なんだよ。その匂いが君から漂っているけど」
「…っ」
何も言い返すことができずアリシアは顔を下に向けて俯いていた。誤魔化すのも嘘をつくのも不可能な状況だもの。
無言になるしか選択肢は無い。
「黙るってことは、本当なんだね?
へぇ…君その匂いを使って何人の人達を洗脳させたのかな?」
「ち、違います!私はただ…」
「ん?まだ言い訳あるわけ?」
そう言ってカリストは私の方を向いた。
私が前に来る時だと合図してくれ
私はひっそりと持ってきていたキャセルグレープの香水を身体中にバレないように振りまいた。
ラットベリーとは違くて甘く爽やかな匂いが漂う。
私はカリストの前に立ち、彼に手に触れて
「カリスト後は、私が」そう話しかけると先程の冷淡な態度とは全く違く私に見せる明るい顔に戻り、にこりと微笑む。
それから、カリストは風魔法を使いバレないよう私が纏っているキャセルグレープの香りを会場全体に渡らせた。
そうすれば、洗脳されている人達は正常に戻るはずだから。
うっすらとアリシアの取り巻き達が『私は一体…』とでも言うような表情が見えた。
兵士に抑えられているアリシアは、私を見て驚愕した表情を浮かべ「どうしてあんたが…!?」と口にした。
それからアリシアの隣にいたルークもその他の貴族の方達も婚約破棄され行方知らずだった悪役令嬢のリベルタが戻ってきて驚いていた。
「リ、リベルタ…なぜ…」
私の方へそろりとやってきて何か言いたそうにしていたけれど無視して私はアリシアの前に立ち見下ろす。
ああ…。見下ろすのってこんな感じなのね。
「驚いた?私が戻ってきたことに」
皮肉っぽく言うと、アリシアは激昂したかのようになり
私に突っかかりそうになったけれど兵士にがしりと抑えられる。床に軽く叩きつけられ「うっ!」と苦しくなったアリシア。
「な、なんで…あんたいるのよ!?」
私をキッと睨みつけ敵意丸出しな態度を示し、立場を弁える気のない感じ。
「あなた、変わってないわね。」
アリシアを見下ろしながらクスリと笑い言いアリシアに追い討ちをかけ
「ここに来たのはあなたや皇太子に用があったのよ」と言い
大きく息を吸い込み、あの時のようにアリシアが私にやってきた指を指すポーズをできる限り似せて私はアリシアとカリストに言ってやった。
「アリシア・セレス、ルーク・カトレア
あなた達に裁きを下させていただきます!!」
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