18.全て整った悪役令嬢
パーティーが開かれるという話はエスター帝国やジェラル帝国にも瞬く間に広まった。
パーティーが開かれるまでの猶予は十分に取られており
その間に貴族の人達は入念に準備を進めていた。
そして私も準備を進めていた。
と言っても、ドレスやアクセサリーはカリストが用意してくれるらしくそこは任せておいて私は裁きを下すための準備等をしていた。
昨日言っていた、キャセルグレープを元にして作られた香水も無事に届き、カリストからドレスとアクセサリー貰うまで少しの間だけ、引き出しの中にしまっておく。
パーティーが開かれる前日
カリストがやってきて、「これを君に渡すよ」と言って
私に大きな鞄を渡された。
メアリーと一緒に、開けてみると
シルバーから紫へとグラデーションになったドレスや
ドレスに合わせた、靴とアクセサリーや
他にもペンダントが入っていた。
私は子供のように目を輝かせながら、全身鏡の前に立ち
ドレスを体に当てた。
それを微笑ましく、カリストとメアリーは眺めていた。
舞台に必要なものが全て揃い
ついに、あの2人に裁きを下すことができる日が来た。
今日は絶対に失敗してはならない。
気を引き締めていかないとね。
メアリーに着替えの手伝いやおめかしをしてもらい
パーティーへ行くための準備は整う。
メアリーは「とても美しいです!」とうっとりしつつ
「今日は絶対に成功させてくださいね!」と暖かいエールを貰い、私を見送ってくれた。
カリストと合流を経て、私はカリストと一緒に馬車に乗って
転移門を通り抜けた。
半年ぶりに戻ってきたエスター帝国。
何も変わってないようで少し安心した。
会場に着いてから、私とカリストは違う別の場所から会場に入ることにした。何か理由があるからとかではなく
カリストがあの女を焚き付けている間に私が出てきて証拠を皆に見せるというそういう作戦だ。
最初からカリストと一緒に出てくるなんてつまらないもの。
どうせなら消えたはずの私がなぜかパーティーに参加していて驚く2人の顔を見てみたいわ。
それから叩き潰してやりたい。
そう思いながら、私は会場にいる人達の中に混ざる。
今日は盛大なパーティーが開かれるため
会場の装飾はとても華やかで
玉座の近くにあるシャンデリアはとても輝いていた。
私は人達の中に混ざり合いつつ周りを見てみる。
中にはアリシアの取り巻きだった人やアリシアに洗脳されている人達もいた。気づいたのか何やらヒソヒソと話していた。
けれど、騒ぎにならずに済んだ。
しばし、待っていると
「へスター公爵家一同ご到着致しました!」
そう言われふと見ると、リベルタの家族達がパーティー会場に着いたよう。リベルタの家族達も参加することとなっている。美貌なリベルタの家族達を見て周りはザワついた。
ふと、家族一同と私は目が合い家族一同私の所に来ようとしていたけれど
(しーっ)
と合図をした。察したのか、分かったと意味するサインをしてから他の貴族達の所へ挨拶しに行った。
しばらくして
「ジェラル帝国の国王陛下と一同がご到着致しました!」
とうとうカリスト達がパーティーにやってきた
見計らって私は、ひっそりと会場から動いた。
ジェラル帝国の国王が到着し、国王はエスター帝国の国王のいる玉座の前にやってきて互いに手を取り合った。
そして召使いに注がれたグラス1杯の白ワインを手に取り
ジェラル帝国の王家の歓迎と、同盟を組んで15年の感謝を述べ乾杯をした。
乾杯をした後、大人の貴族達は白ワインを一気に飲み干した。
前世、白ワインの味が好きだった私だけれどリベルタはまだお酒を飲んではいけない年齢だから悔しいけれど必死に我慢した。
乾杯をしてからしばらくして
「ルーク・カトレア皇太子殿下がアリシア・セレスとご一緒にご到着されました!」
奴らが入ってきた。
ルークは正装な格好をしているけれど…隣のヒロインは
赤いドレスに豪華な宝石が散りばめられたドレスを着ていて少し見苦しい格好。周りの人達は「なんて格好よ…」
「そういった趣味のお方なの…?」などとヒソヒソと話していた。
アリシアは気にせず微笑ましくルークと腕を組んでいるけれどルークはまんざらではない様子。
それはそう。だって王位継承権を外されそうなんだもの。
アリシアがそんな格好をしているからもしかしたら外されそうなのかもしれなくて焦っているのか青ざめているし。
けどね、これからもっと顔を青ざめさせるから。
「やあ、ルーク・カトレア殿下」
「あ、あなたは…カリスト・アーマノルド殿下!」
「ここで会うのは初めてかな?」
「は、はい!そうですね」
「…何だか緊張しているように見えるけれど大丈夫かい?」
「いえ!大丈夫です!問題ありません!」
「…そうかい。で、君の隣にいるのは…」
「えっと…彼女は」
「ルークの婚約者にして、次期エスター帝国の皇后になるアリシア・セレスと申します!」
いきなり大きな声で聞こえるようにカミングアウトしたため
多くの貴族やルークも驚愕した。
なぜ堂々とそんなことが言えるのだろうか。
ヒロインよね?ちゃんとした教育受けたことがないのかしら?
あまりの馬鹿っぷりに思わず吹き出しそうになったけれど何とか堪え、私はカリスト達のいる方会場の前へ移動した。
「…ふうん。次期皇帝の妃ということね」
「はい!そうです!」
「次期皇帝の妃になるお方からさ…
"固く禁じられた違法物の匂い"がするのかな?」




