15. 手伝わせてほしい。
「…!ひ、ひぃ…!」
私を誘拐して殺そうとしていた3人の内の1人が私…じゃなくてカリストと目が合うと怯え始める。
「…カリストあなた一体奴らに何をしたの?」
「ん?リベルタにあんなことをしたんだから、ちょっとお灸を据えただけだよ。」
(見るからに、ちょっととは言えないけど)
3人の様子から見て長時間の尋問を受けていたよう。
そうじゃなきゃ、このような怯えっぷりにはならない。
でもどうしてカリストがこんなことを…。
「それに、君は奴らに会ったら何か収集したいんじゃないかと思ってね君と会うまでずっと奴らにはここにいてもらってたんだ。」
「収集?」
確かに奴らに会って、分かってはいるけど誰に命じられて私を殺そうとしたかを聞きたいけれど。
(どうしてカリストは、私の考えていることを読み取れるの?)
「どうして自分の考えていることを読み取れるのっていう顔をしてるね?」
「…っ」
カリストにはバレバレのようで、観念して私はカリストに問いをぶつける。
「ええ。どうしてカリストは私のしたいことを読み取れるの?」
「…だって君、元婚約者の皇太子と君を陥れた子爵令嬢に何らかのことをしようとしているんでしょ?」
「えっ…」
どうしてカリストがそれを知ってるの…!?
バレないようにしていたつもりなのに…。
「ごめんね。君のことを調べてさせてもらったんだ。
そしたら君の経歴に婚約破棄のことと理由が書いてあったから。」
「そ、そう…。」
まさか、自分のことを調べられていたとは…。
「君の情報を知った上で、僕からもお願いがあるんだよね。」
「お願い?」
すると、カリストは手を差し出す。
そして口を開き私にこう言った。
「リベルタ、君のやろうとしていること
僕にも手伝わせてくれないか?」
「…!」
冗談だとは思えないほど、真剣な眼差しでカリスト。
彼を見て、心が揺らぐ私。
確かに、相手が抗うことができない相手を味方につけたいとは言っていたけれど…
こんな形で味方につけていいのかしら。
そんなこと思っているけれどカリストにはやはりお見通しのようでまたカリストは口を開く。
「今、心が揺らいでいるみたいだけど僕は絶対に君を裏切ったりしないしたとえ君が手を汚すようなやり方で奴らを陥れようとしても僕は賛同して着いていくつもりだよ。」
「カリスト…一体どうしてそこまで私に…」
「どうして?君が俺の支えになってくれたように、僕も君に…リベルタの支えになりたいんだ。」
「…」
もう私がどんなことをしようとも着いていき、絶対に裏切ったりしない。カリストは決意を強く固めている。
なら…彼を信じる以外に選択などない。
私は彼の手を取る。
「カリスト、あなたのことを信じてみせるわ。
私のやろうとしていることを手伝ってちょうだい。」
そう言うと、カリストはニコリと笑う。
「分かったよリベルタ。僕も精一杯頑張ってみせるから。
そして必ず、君のやろうとしていることを
成功に導いてあげるから___。」
こうしてカリストは裁きを下そうとする私の
仲間に加わった____。
読んでくださりありがとうございます。
次は、また誘拐して殺そうとしていた奴らに尋問タイムが始まります。