14.見せたいものがある。
「…っ!?」
髪にキスをしてきた彼。
その瞬間、私は頬は熱くなり顔もこれほどかという程に赤く染まる。
前世、ずっと働きっぱなしだったから恋愛や今のような異性からの行為などは無縁な存在だった。
だから、不意打ちにこんなことをされるとどうすればいいのか分からなくなって混乱してしまう。
「え、え、え!?で、殿下?い、今私に…」
混乱するあまりに言葉もぐちゃぐちゃになる。
それを見て彼はクスリと笑う。
「ふふふ。君って可愛い反応するんだね。」
「〜〜~っ!」
彼からの追い討ちの言葉により
しばらく私は彼に顔を出せないほど、顔が赤くなり混乱した。
けど、すぐに落ち着きを取り戻して彼に顔を向けた。
「そっか…あなたが皇族だったなんて…」
「驚いた?」
「いいえ、私を助けに来てくれた時にあの移転魔法とか戦闘力を見てたら、ただの少年じゃないっていうのは感じてた。」
「そっか。」
「あの…あなたは、皇族だから私今まで、あなたと軽い感じで接していたけど無作法だったわね。ごめんなさい。」
皇族だったことを知らなかっただろうが、彼は皇族だったのだから失礼だったとして私は彼に頭を下げる。
けれど彼は気にしておらず許してくれた。
「いいよ?別にこれからはカリストって呼んでくれて大丈夫だよ。」
(カリストっていうのね名前は。)
ここで初めて彼の名前を知った私。
「じゃあ、遠慮なくカリストって呼ばせてもらうわ。」
「じゃあ、僕もこれからはリベルタって呼ばせてもらうね。」
「分かったわ。」
互いの目があい、お互いにこりと笑い合う。
「…それじゃあ、この話は終わりにして」
「ん?」
ころりと表情が変わるカリストそれを見て少しゾッとする私。
「リベルタ、君に見せなきゃいけないものがあるんだけど来てくれる?」
「見せたいもの?」
と言う割には、何か不穏な感じがする。
私は警戒しつつも、彼と一緒に行く。
__見せたいものというものがある場所へ。
ここは本当に見せたいものというものがある場所なの?
と思ってしまう。
何せ、カリストと一緒に来ているのは何らかの罪を犯した人達が入っている監獄だから。
「ねぇ、カリスト」
「なあに?」
「見せたいものってここにあるの?」
「君も覚えているはずだよ」
そう言いながらピタリとある牢屋の前で止まる。
そして私牢屋の方を見てみると…
「…!」
そこには見覚えのある3人がいた。
「カリスト、あなたが見せたいものって…」
「そう、君を誘拐して殺そうとしていた奴らだよ。」
あの日私を誘拐して殺そうとしていた3人。
前会った時よりも随分と姿が変わっていた。
尋問を受けていたのか、身体中が痣だらけで
顔も数カ所腫れ上がっていた。
(どうしてカリストが私に奴らを見せたの?)
読んでいただきありがとうございます!
次で反撃の準備が開始します。