11.悪役令嬢は、夜会に呼ばれるようです。
メアリーを落ち着かせた後、メアリーと一緒に夕食の準備をすることに。そこで私はメアリーに一部始終を話した。
「ええ…!?お嬢様を殺すよう命じられていたんですか!?」
「とあるお方からって言ってたけど
多分おそらくはアリシアだろうけど。」
「むむむ…あの子爵令嬢、お嬢様を亡き者にしようとするなんて…!なんてお方なの!」
「まあ、彼が助けてくれたしなんとか死なずに済んだわ。」
「そうですね。でも彼って何者なんでしょうね」
「ええ。」
魔法を使うし、戦闘能力も高め。
ただの少年ではないことは確信している。
今度来たら、無理にでも聞こうかしら。
そう思いながら着々と夕食を完成させてから
夕食をとり、色々してから眠りについた。
普段はお悩み屋の仕事をするけれど
人攫いにあったため、一時的に店を休業することにした。
いつもお悩み屋の仕事をしていたから時が早く過ぎるけれど仕事を休んでいるからか時が遅く感じてしまう。
そして、脳裏に浮かぶ彼のこと。
彼は、あの日助けられて以降全くお悩み屋に顔を出さなくなってしまった。
いつもなら「お悩み屋さんの店主さん!また来たよ!」とか言って来てくれていたのに…。
少し寂しいような気がする。
そう思っていると、自室の部屋が勢い良く開いた。
「お嬢様ー!」
と慌てた様子で私の方に駆け寄るメアリー
「ど、どうしたの?メアリー」
「お嬢様!お嬢様から凄いお方から手紙が…!」
「凄いお方から?」
私はメアリーから手紙を貰う。
手紙の表を見て、シーリングスタンプを見てみると
ある紋章がついていてそれに目を見開いてしまう私。
「え…ジェラル帝国の紋章じゃない…!?」
ジェラル帝国の紋章ということは、皇族からの手紙ということ。そんなお方から私にどうして手紙を送ってきたため、驚きを隠せずにはいられない。
「そうなんです!私見た時腰を抜かしそうになりましたよ!」
「と、とりあえず開いて見るわよ。」
私は恐る恐る手紙を開いてみる。
「リベルタ・へスター令嬢
君は、この国でお悩み屋を開いて日々民に貢献していることを噂で聞かせてもらっている。そんな日々貢献しているあなたを今夜開かれる夜会に招待させてもらいたい。」
と内容が書かれていて震えてしまう。
「お悩み屋が皇族の方に届いてるなんて…」
そしてその後には追伸があった。
「追伸、ドレスやアクセサリーはこちらから送らせてもらった。そして夜会が始まる前に馬車も手配するからそれで夜会に来てもらう。楽しみに待っている。」
と追伸を読み終えてから、メアリーが大きな鞄を持ってきた。
「これが、皇族のお方が送ってきたものです。」
鞄を受け取って、私は鞄を開く。
中には、私にいやリベルタに似合う水色と紫色のグラデーションのオフショルダードレスに
そのドレスにあったヒールの靴そしてそのドレスにあった
アクセサリーが入っていた。
「凄いわね」
「はい!せっかくなので私がおめかしさせて貰えませんか?」
「メアリーが?」
「はい!せっかく夜会に招待してくれましたもの!
お嬢様を飛びっきり美しく見立てます!」
「ふふ。じゃあ頼んだわね。」
そして夜会に時間帯に近づいてきて、私はドレスに着替えてからドレッサーの前に座る。そしてメアリーにとびきりのおめかしをしてもらう。
「できましたよ!お嬢様!」
そう言われ、私は鏡の方に目をやる。
普段下ろしている髪が三つ編みでドレスに合わせたメイクになっていた。
やっぱりメアリーは万能メイドなんだと実感する。
「ありがとう。メアリー。これでバッチリよ!」
「気に入ってくださって嬉しいです!」
それから、ドレスに合わせたアクセサリーをメアリーに手伝って貰いながら付ける。
夜会へ行くためのおめかしが完了して
メアリーを見送ったら、私は悩み屋の扉を開き外へ出た。
夜会が始まる時間帯になったら、馬車が来ると手紙で言っていたけれど…。
予想通り、目の前に馬車が止まっていた。
そして馬車から一人の男性が降りてきた。
「あなたが、リベルタ様ですね?」
「はい。」
「とあるお方の命令を受けて、リベルタ様を迎えに来ました。テレスと申します。」
そう言うと私に深く礼儀をしてから
手を差し伸べられる。
「では行きましょう。」
「分かりました。」
私はテレスさんの手を握り、馬車に乗る。
「出発してください。」
テレスさんがそう言うと、馬車が動き出した。
これから、行くのは夜会。
貴族達が沢山来るのだから気を引き締めなくちゃね。
夏を満喫していたら投稿がやや遅れてしまいました!申し訳ありませんm(_ _)m
追伸
プロフィール
テレス…24歳
カリスの部下。
スパダリ。基本的になんでも出来る。