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9.想像もしない人達

ルアン皇女様から伝書鳩を通して手紙が届いた。

どうやら、ルアン皇女様は私の手紙を見た時にすぐ怒り心頭になって、他国からエスター帝国にすぐ戻ってきてあいつのいる教室に突撃してはあいつに1発みぞおちにお見舞いしてきたとか。あいつのお見舞いされた時の顔を見れなかったのが私は残念だけど。

けれど、それよりもいい情報が手に入った。

あいつは王位継承権第1位から外されようとしているとか。

どうやら私を悪役令嬢に仕立てあげたことと、幼稚な理由で婚約破棄したことであいつの父親、国王様がこんな奴に国を任せられるなど到底できないと判断したそう。

今はまだ、外されてはないようだけど

おそらく監視をして、王位継承権第1位を外すか外さないかを判断しているのかもしれない。

その監視している間に私が裁きを下せば…

あいつは王位継承権第1位を外される。

永久に国王になれないということが確定する。

それなら絶好のチャンスかもしれない。

この帝国に来てから、私はお悩み屋をしながらも裏であの女がリベルタが悪役令嬢に仕立てあげられる前の出来事について調べていた。そしてリベルタの家族の協力もあり有意義な情報を手に入れることができた。

その有意義な情報について

まずあの婚約破棄される時にふとした違和感があった。

今までアリシアは私に対して立場を弁えずに攻撃的に接していた。子爵家の令嬢が公爵家の令嬢に立場を弁えないのは

品位に関わることだとフォード学園に通っている人達は絶対に分かるはず。

けれど、あの婚約破棄してきたあの公の場では皆、アリシアに味方していた。それが私がふとした違和感だった。

それに、アリシアから何か強烈に甘い匂いがしていた。


調べあげ、結果どうやら

その強烈に甘い匂いがするものはラットベリーと呼ばれるものだった。それは人の精神を操るという効果があるため

使用することは固く禁じられていた。

そしてリベルタの家族のおかげもありラットベリーに関する情報を手に入れた。

それはラットベリーを求める人物がいたという情報。

おそらくアリシアだろうと思い、

私はメアリーと一緒にラットベリーの管理者のいる

栽培園へ行った。


「私に一体どんな御用がありますか?」

管理者にそう言われ私は身元を全て明かしことの経緯を話してラットベリーを求める者がいる人を教えて欲しいと言った。そして管理者はこう言った。

「セレス子爵家の令嬢がここの栽培園へやってきて

ラットベリーを元にした香水を作ってくれと。」

やはり予想通りアリシアはここでラットベリーを求めていた。

最初は管理者は断っていたそう。

しかし

「子爵家の力を使ってこの栽培園を消すことができる、それでもいいってこと?と言われてしまい…。」

あの女から脅迫され、香水を作るしかなかった。


リベルタを陥れるためにこんなこともしていたとは

なんとも卑怯な女だった。

私は管理者に必ず、アリシアにはそれ相応の対価を管理者に払わせると約束してラットベリーを求めたという証拠をくれないかと言い、私の言葉を信じた管理者さんからあの女が書いたラットベリーを元にした香水を作ってくれという文通を貰った。


これがあれば、私が無実だということが高確率で証明できるが、もう少し証拠が欲しい。

何かないかと今もなお、メアリーと一緒に探している。


そうこう探している内に日が暮れそうになっていたため

一度中断して、夕食の買い出しをしに行くとした。


市場へ行って、夕食の食材をメアリーと分かれて

買っている時だった。


「リベルタ様」

ふと私を呼ぶ声がした。

メアリーではないことは一声目で分かった。

何せ声が男なのだから。

後ろを振り向けば1人の男が立っていた。

鎧らしきものを身につけていて、腕の方に軍章が見えて

私はすぐに察した。

この男は、エスター帝国の騎士の人だって。

おそらく、皇太子(あいつ)の命令で私を探して連れてくるよう言われたのだろう。

多分、王位継承権を外されるのに焦って私を探して連れ戻そうとしているのだと推測した。

「エスター帝国の騎士様が、どうしてここに?」

「皇太子様が貴方様を探して連れ戻してきて欲しいと言われました。」

「どうして?王位継承権が外されそうで焦ったから?」

「どうしてそれを…!?」

(ルアン皇女様から聞いたもの。)

焦った顔をしたけど、すぐに表情を変えると

私の腕を強く掴んで来た。

「と、とにかく!貴方様を連れ戻しに来いと言われましたので!」

「はぁ!?」

この男、許可もなしに貴族に…いや女の人に触るなんて

なんて奴よ。

「離してください、私は皇太子殿下の所には行きません。」

じゃないと、あいつらに裁きを下せないもの。

そう言っても無視して連れていこうとした時だった。


「申し訳ないが、この女は俺達が連れていく」

後ろから囁かれて、ゾッとして後ろを向けば2、3人の黒いローブを被った男達がいた。2人の男があいつから命じられてきた男に襲いかかり1人の男は私の首に手刀を浴びせた。

そこで私は意識を手放してしまった。



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