1.悪役令嬢に転生した私は元婚約者と主人公を許さない
皆さん、お久しぶりです。
長らく失踪していました。すみません!
まず、この物語が始まる前に
私のことについてお話しておく。
私には前世があります。
私は前世、弁護士でした。
法律相談・交渉・和解のサポートその他諸々の仕事をしていました。
けれど、私は交通事故で若くして死にました。
必死になって、やっと念願叶って弁護士になれたというのにこんな早く死ぬなんて…とこの時思っていました。
しかし目を覚ませば…
前世、仕事がひと段落ついて一息つこうとした時に読んでいた幼稚な恋愛小説の登場人物に憑依していました。
しかも、悪役令嬢に仕立てあげられるリベルタに。
読んでいた恋愛小説の内容としては簡潔に言うと子爵家の令嬢である主人公アリシアが宰相の父を持つリベルタを悪役令嬢に仕立てあげリベルタの婚約者だった皇太子ルークを奪ってしまうという話。
そして私が憑依したリベルタは
前述の通り、アリシアに悪役令嬢に仕立てあげられてしまい婚約者だった皇太子ルークに婚約破棄されてしまうという運命があります。
当然、私は嫌です。
何より、婚約しているのを分かった上で言い寄って
最終的に婚約者を奪われるのが…浮気というものが私は許せません。
だからなるべく主人公アリシアに関わらないようにしていました。何かを言われても適当に対処していましたが…
どうやら運命は変わらないらしく…。
「リベルタ・フィローネあなたの悪事を暴いて差し上げます!」
小説通りアリシアによって悪役令嬢に仕立てあげられる私。
「なんのことです?身に覚えはありませんが?」
小説と同じ台詞を言ってみれば
ルークがアリシアの隣にやってくる。
「とぼけるつもりか?リベルタ
君はアリシアに酷い言葉を吐いていたそうじゃないか。見損なったぞリベルタ。」
元々のセリフは「君はアリシアを階段から突き落とそうとしたり彼女の大切なアクセサリーを壊したそうじゃないか。」だけど、そこだけ変わっていました。まあいいですが。
「あなたは、子爵家の令嬢私は公爵家の令嬢。同い年といえど立場は私の方が上だから立場を弁えろと言ったそうだな?」
確かにその言葉は言った。
立場を弁えろという注意は当然のこと。
子爵家と公爵家、貴族ではあるが地位は
公爵家の方が上。
立場を弁えることは当たり前なのに
この皇太子はどうして分からないのか?
ああ…腹が立つ。
いけないいけない今は腹立つ気持ちを抑えなくては。
「黙っているということは認めるということでいいか?」
「早く認めたほうがいいですよ?リベルタ・フィローネ。」
誰が認めるか。
それにアリシアはリベルタのことをフルネームで呼び捨てしたわよね?
立場を弁えられない体質なのかしら?
腹立つ気持ちを抑えていたのに余計に腹立つ気持ちが湧いてきた。
「アリシアもういい。ここからは俺が…」
必死に腹立つ気持ちを抑えている中
物語は進んでいき…
ルークはどこから持ってきたのか知らないけれど婚約契約書を1枚取り出し
私に見せるように
「リベルタ、お前との婚約を破棄させてもらう!」
ビリビリに婚約契約書を破り、そう言った後アリシアは
「ルーク!」
と言ってルークに向かって飛び込んでいきアリシアを優しく抱きしめるルーク。
そんな2人を祝福するように会場中に響き渡る拍手。
結局運命は変わらないということを知った私。
こうして私ことリベルタは
物語から追放され…
てたまるかよ。
何よこれ。
婚約破棄する理由があまりにもバカげてるし
というか婚約者がいることを分かった上で言い寄って略奪した上に私を悪役令嬢に仕立てあげた女と言い寄る女を受け入れる男の方が圧倒的に悪いやつでは?
私はこんな頭の悪い奴らにやられたの?
ああもう…かんっっっぜんに怒りのボーダーライン超えました。
こうなったら、この頭の悪い奴らに
わたし自ら裁きを下してやるわ。
こんな頭の悪い奴らにやられたんだもの。
やられた分を倍にして返してやるわ。
こう見えても私は前世弁護士。
弁護士として磨いてきたスキルを活用して
絶対にこの2人に裁きを下してやるんだから。
もう運命とかどうでもいい。
私はこいつらに裁きを下さないと気が済まない!
だからさっさとここから出ていかないと。
「リベルタ・最後に言い残すことはあるか?」
あら、優しい
最後に言葉を残させてもらえるの?
じゃあ…言わせてもらいます。
「まあ…せいぜいお幸せにぃ!」
と私は満面の笑みでやや煽るようにこの頭の悪い2人に言ってやった。
皆、驚愕してるけど
私は気にせず会場を後にした。
ぜっっったいにあの頭の悪い2人に制裁を下してやるわ。
それまでのほほんと過ごしてなさい
ここからどんなスカッと展開になるのか…!?