決起 後編
毎日投稿初日から1時間遅れ幸先ワルー
「掃除が終わったのか、丁度よい。この客主に用があるそうでな。」
そう言っているのは、現在デカブツと話している和尚だった。用?俺に?なぜ why?そんなことを考えながら、俺も和尚の隣に座った。すると、デカブツが驚いた顔をして、口を開いた。
「さっき会ったお前が、幸親であったか。わしの名前を覚えておるか。」
知り合いだったか。通りて見覚えがあるわけだ。はいはい来ましたよ。ついにこの奥義を使うときが。もちろん俺があのデカブツの名前なんて覚えているはずがない。だがこの奥義を…
「おぬしそういえば、幸親という名前じゃったな、すっかり忘れておったわ。」
語り手の邪魔をするんじゃねえ和尚。ていうか、俺が言うことじゃないが、お前も名前を覚えきれないのかよ?
まあ話を戻そう。この奥義を使うことにより、名前を覚えていなくても、この状況を打破できるのだ!いざ実践。
「すまん。なんという名前じゃったかな。」
デカブツは、若干、北風のようなため息をついて、
「遙だ。まさか戦友の名前を忘れるとはな。」
「違う。下の名前は知っておる。上の名前はなんじゃ?」
この「名前を覚えているか」の戦いに勝利を確信し、今川義元のごとく優越感に浸っている俺に、「織田の数千の兵」という名のとある言葉が、奇襲をかけてきた。
「わしは、性を持っておらぬ。」
大敗北‼沈黙の妖精が、この部屋を敗走した。
「つくづくあきれた奴だ。」
デカブツ改め遙がそういった。隣では和尚が笑いをこらえている…が今にも爆発しそうだ。にしても聞いたことあるな。遙か、はるか、ハルカ、遙、あー!思い出した。鬼ヶ島の戦いで参謀を務めていた男だ。いやまてよ、あいつは、桃太郎軍にとって、最重要危険人物だし、都でも、晒し首が晒してあった。いったいどうゆうことだ。亡霊か?お前は亡霊なのか?そんなことは、まあとりあえず、ココロの奥でオドらせといて、とある疑問が残った。
「それで、どんなようだ?」
デカブツ改め、遙改め、亡霊が言った。
「一揆をおこす!」
その顔は第二次世界大戦中にアルプス越えを決意した。チャップリンのように光り輝いていた。