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Prologue 〖 Ⅱ 〗

私には書きだめが向かないと思い知ったので投稿再開です。多分途中で止まります。

取り敢えず本日は二話投稿。

どうぞお楽しみくださいませ。

 ピチョン……ピチョン……


 閉鎖された空間に水面を打つ音が静かに、鋭く響き渡る。

 光の無い空間には生き物の気配が一切確認する事が出来ない。

 長きに渡り放置されたその内装は朽ち果て、どれ一つとして本来の機能を発揮し得ない。


 時折ガラガラと石が崩れ落ちる音が水音に紛れる。その音を引き起こしているのは、雨水に侵食されて脆くなった天井。

 地下深くに造られたその当時は頑丈であったそれは、今やその堅牢さなど見る影も無く頼りない。


 ビー……ビー……ビー………


 辛うじて生きていたその部屋の設備が音を吐く。だがその音はか細く、明らかに壊れかけである事を思わせる程雑音が混じっていた。


「…■■■ラム、停■■理にエラ■……再■■……失■……実行■■マス」


 何かの声が、途切れ途切れになりながら雑音(ノイズ)混じりに暗黒に響く。

 時折死にかけの装置が足掻きとばかりに一瞬だけ光を放つ。その光を反射するのは、無数の筒。


 筒。筒。筒。


 崩落した天井によって押し潰された物。

 経年劣化と思しき壊れ方をした物。

 何かが()()()()()()ように開いた物。


「……■号に…対オウ■…模■……ガい当■番……維ジ装■破■……軽微デ■…」


 チカチカと何かが点滅し、それが“合図”となる。

 生きていた装置が最後の務めを果たそうと動き始める。


 ガガ……ガ……


 油などとうに切れ、部品が欠落した今も尚回ろうと足掻く歯車が不協和音を奏でる。


「起■ショ理……進行■■……警告。ケイ■■■……こノ命■ノ実■…許■……起■シマ■……ご注■くだ……」


 ガリガリガリ…!


 何かの部品が錆と絡まり、小さな閉鎖空間に不快な音を響かせる。

 経年劣化で最早強度など無きに等しい筒が、悲痛な叫びを上げながら崩壊していく。

 既に装置としての役割の大半を失っていたそれらは、空気に触れた瞬間に劣化し塵となった。

 そんな中────
















「─────ぁ」


 ソレが、目を、覚ました。


 べシャリと何かの液体に塗れた肢体が地面に打ち付けられる。その足は細く、身体を支えられる程の力は無い。

 ダラりとソレの視界に垂れ落ちる髪が、暗闇の中で“白く”光った。


「──“お姉、ちゃん”……?」


 “黒”は、まだその“白”を知らない。












「─────警告。第二■号■■室ハ、現■稼■■■オり■■ン」

「───────」

「───────」

「────………」

「■■■■計画データの■棄■理ヲ実■■■■」

「────………」














「■■■■は現ザい()()■動シて■■ス」




それは、かつての夢。


それは、かつての過ち。


それは、─────……




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