第89話 謁見の間の死闘 その4~でかいおっぱいばっか描いてる漫画家さんは実は貧乳好きが結構いるので要注意よ!~
【だ、大丈夫ですか?】
「なーに、余裕余裕。しかしこりゃ後でここの掃除が大変だな」
謁見の間を眺めながら魔王が額にしわを寄せ、ポリポリと頭をかく。おそらくメイド長のミレーナに嫌味を言われるところを想像しているのだろうと僕は勝手に推測した。
「しっかしあっちもこっちも決め手に欠けるとなると、こりゃ一体どうしたものか……」
【他にも魔法はあるんでしょう? まだまだこれからですよ】
「簡単に言ってくれるなよ。確かに我は何百という魔法を使いこなすが、全ては魔力あってのものだねだ。既に二回もけっこう大掛かりな魔法を使用してしまった。この調子だとじきに限界が訪れるぞ」
またしても魔王が頼りないことを言いだすため、僕は戸惑いを隠せなくなった。
【ええっ、魔王って大量の魔力を保有しているんじゃなかったんですか!?】
「それはそうだが、試合前にも告げたように、昨晩は召喚魔法で漫画を大量に取り寄せたため、最初から魔力の残量が心もとなかったのだ。紅き満月の日だからってついついハッスルし過ぎてしまったな、ハハハ」
【笑い事じゃないですよ! なんでそんな馬鹿なことしたんですか!?】
「馬鹿なこととはなんだ! 幽閉されて娯楽の少ない我にとっての唯一の文化的な楽しみなんだぞ! 後でおっぱい漫画貸してやるぞ!」
【それはいいから!】
「……戦闘中ニイイ加減ニシテ欲シイモノダナ、二人トモ」
無機質な突込みが響いてきたので、僕たちは言い争いをやめて放ったらかし状態だった相手のほうに着目した。
「ってそなたこそまーた籠城かよ! いい加減にいろよ! きりがないだろうが!」
魔王が突っ込み返すのも無理はない。そこにはまたしても茶色い壁がドデンと立ちはだかっていた。
「イズレ終焉ハ必ズ来ル。イミジクモソチラガ明カシタ通リ、魔王様ノ魔力切レガ近イノナラ、ソレヲ待テバイイダケノ話ダ。モットモ小生モ一旦松ボックリヲ打チ尽クスト、再生ノタメシバシ待タネバナラナイガ、ソチラト違ッテ弾切レニナルコトハナイ」
【「な、なるほど……」】
僕と魔王は、モーラスの作戦に舌を巻いた。確かに理にかなった作戦だ。その方法ならばいつかはこちら側に打つ手はなくなり、均衡状態は破れ、王は詰みとなる。
「さてどうする、軍師殿? 勿論見事勝った暁には……ほれ」
魔王がブラの肩紐を意味ありげにクイッと引っ張る。
【うっ】
僕は真面目に考えざるを得なくなってしまった。おっぱいおっぱい!




