第86話 謁見の間の死闘 その1~関係ないけど散歩してるとおっぱい川柳ばかり思いつく!~
「で、試合開始の合図はどうする? 今、我のテーマソングを熱唱中のムネスケに一旦止めてもらって、『ファイト!』とか言ってもらうか?」
ちなみに現在僕は魔王の言う通り、彼女の御命令で美少女フィギュア会社のダイキを湛える歌を何故かデスボイスで歌わされている。てかひでえ!
「イヤ、ソンナモノハイラナイ。何時デモカカッテクルガイイ。手加減ナド無用ダ」
モーラスはやけに上から目線の強気発言を上司に対してかましてくる。一体どれだけの実力を秘めているというのだろう? 僕は何だかすごい嫌な予感がしてきた。
「ほう、そこまで言われると久々に全力を出したくなるな。では、遠慮なく……って、えええええええっ!?」
早速両手の指を影絵遊びのように様々な形に組み合わせ、呪文の詠唱に入ろうとしていた魔王だったが、モーラスが漆黒のドレスをたくし上げるのを見て獣姦AVをレンタルしてきていざ鑑賞と思ったら間違えて動物の感動ドキュメンタリーだった時のような顔をした。なんとモーラスの身体からは顔以外のありとあらゆる場所からあの戦いの日にちらっと見かけた松ぼっくりおっぱいが無数にニョキニョキ生えており、しかも不気味に蠢いていた。例えていうなら溶けかかって大量にくっついている竹の子型をしたチョコレート菓子か、全身に無数の乳房のある古代のアルテミス神像のようなものだろうか。
「ハッ!」
気合一閃、モーラスの掛け声とともに、その茶色くて固い円錐状の物体は、一斉にそこら中に向かって射出された。
「あっぶねえなあ! あらよっと!」
しかし魔王もさる者、リプル戦でも見せた素早いステップを披露し、松ぼっくりミサイルを次々とかわしていく。ほぼ不意打ちにも関わらず、大したものだ。本当にこの人、身体能力だけでも十分強いし魔法なんて要らないんじゃないか?
「フフ……サスガダナ。ダガコレハドウダ?」
「ぬお!?」
ヒョイヒョイと飛び跳ねている魔王の動きが急に止まる。なんと足に蔦のようなものが絡みついている。よく見るとそれはモーラスの身体から床を這って伸びてきたものであった。松ぼっくりに気をとられている間に、仕掛けられていたのだ。
【魔王! 大丈夫ですか!?】
「ふん! これくらい何てことないわ!」
彼女はほくそ笑むと手刀で蔦を切断し、ミサイル攻撃を直前で回避した。




