第73話 魔王のおっぱいを揉ませろーっ!
「だがムネスケよ、率直に聞くが、恋人を作れば万事問題解決したのではないか、ん?」
魔王が痛いところを突いてくる。僕は無いはずの胸の辺りがキュンとしてきた。
【おっしゃる通り、一度出来たことはあるんです。相手はおっぱいの大きな同級生の女性でした。でも、僕はおっぱいが大好き過ぎて、いざ事に及ぼうとした時、おっぱいを一揉みしただけで達してしまったんです。そんなことが続いたあげく、本番が出来ない人間とのレッテルを貼られて振られてしまいました……忘れたい記憶です】
「うう、なんと言ってよいかわからんが……とにかく辛い思いをしたのだな、ムネスケよ」
「最の高に泣ける話ガオ! ブシャシャシャシャッ!」
【……】
一応共感的態度を取ってくれる魔王とは対照的に、床に寝転がって涙を流しながら爆笑しているクソスフィンクスを目にするとにわかに殺意が湧いてきたが、僕はきっちり10秒間黙ってアンガー・コントロールし、怒りを鎮めた。揉み揉み欲求もこれで治まれば楽なものなんだが。
「とりあえずここではなんだ。とりあえず我の部屋に来い。そこのドアの中だ。まだ少しは自力で動けるか?」
【は、はい……なんとか】
というわけで僕はノロノロと車輪を進ませてまだ腹を抱えている腐れメディットを放置し、魔王に先導されて居室にお邪魔した。石畳ではあるが、中々小ざっぱりした良い部屋だ。
【うわ……凄く眺めが綺麗ですね】
僕は身を焦がす衝動も一時的に忘れ、夕日に映える外の景色に見とれた。海沿いにあるという噂通り、黄金に輝く海面がまぶしく、荘厳な宗教画を思わせる光景だった。
「うむ、我が自慢の景色だ。夜は星空を映す海がこれまた素晴らしいぞ。だが、本題は景観自慢ではなく、そなたのその症状の解決策だ。正直に言って女性の胸を揉む他にないのであろう?」
魔王は単刀直入に切り込んでくる。まあ、その方がこちらとしても話しやすくもあるけれど。
【ええ、そうですね。まがい物のおっぱいや抗不安薬なども試してみたけれど、結局どちらも一時しのぎにしか過ぎませんでした。本能は騙すことは出来ないようです】
「わかった。ならば今回は特別に、我のおっぱいを揉ませてやろう。散々お預けを食らわせてしまったしな」
【ななななななんですとおおおおお!】
魔王のありがたきお言葉に僕の中の何かが音を立てて決壊した。おっぱいおっぱい!




