第54話 修練場の戦い その9〜巨乳のお姉さんのおっぱいを拝んでみたい!〜
-戦いの始まる数分前-
「ええっ、私とリプルとのバトルの仔細を教えてくれですってぇ!?」
偽爆乳メイドことミレーナの片眉が神経質気味にビクっと跳ね上がる。
【しーっ、隣りに聞かれるとまずいから、もっと小声で頼みます、ミレーナさん】
彼女は深いため息を吐き出すと、地獄の獄卒もかくやという険しい顔つきで僕を睨みつけた。
「ご存知かとは思いますが、私は一応立会人なんですよ」
【もちろん知ってますよ、ですが今のところリプルさんと戦った人はあなたしかいないって聞いたので……】
「早いとこしてくれ。今しか話を聞けないしな。ミレーナが公平な立場だというのは重々承知している。だが、立会人が勝手に過去の試合内容を喋ってはいけないというルールも別にないのであろう?」
急に魔王が横からしれっと割り込んできた。ミレーナは鬼の形相を引っ込め、考え込むような顔つきに変わる。
「確かにそう言われればその通りですね……わかりました。お教えしましょう」
「やったぜラッキー!」
【いいのかよ!?】
自分から言い出したこととはいえ、思わず条件反射的に突っ込んでしまった。やっぱユルユルというかガバガバだな、ここのルール!
「なんだムネスケ、ラッキースケベは嫌いなタイプだったのか? 偶然突風で道行く巨乳のお姉さんがオールヌードになるシーンとか嫌いか?」
【何その強風オールヌード!?】
「始めますよ。まずはお互い様子を探っていましたが、突如リプルは足の魚から無数のトゲを私に向かって撃ち出してきました。私は何とかかわそうと努力しつつ相手に接近を試みましたが、運悪く何本かのトゲが突き刺さって動きがにぶり、相手が翼で起こす風の力もあって近づくことが叶わず、やむなく降参したのです。彼女の足の魚のトゲは毒を持っていたのですよ」
【意外とあっけないんですね……】
「まあ、そう言うな、ムネスケ。どうせお互い本気ではなかったのであろう?」
「ええ、こんな模擬戦ごときで奥の手を使うのも体力の無駄ですしね。彼女も同様だったようで、『はははは早目に降参してくださってよよよ良かったです。せせせせセイレーンの魅惑の能力を使うと皆裸になって欲情しちゃって後が大変ですから……』って怖いことを言っていました」
【何そのエロ能力!?】
僕は再び絶叫した。てかサキュバスかよ!?




