第48話 修練場の戦い その3〜本音を言えば魔王のおっぱいを揉んでみたい!〜
【こ、これって反則行為に当たらないんですか、ミレーナさん!?】
「おい何言ってんだムネスケ! 参謀のくせに裏切るつもりか!? 我の豊満なおっぱいを揉みたくないのか!?」
今まさにその豊満なおっぱいを壁にこすりつけながらクソ魔王が子供みたいにわめく。
【まぁ、そりゃ揉みたくないと言えば噓になりますけど……とにかく確認のためですよ】
「別に良いんじゃないですか? まだ試合は始まっていませんし、修練場内にいても良いと許可しましたからね」
【結構ルールゆるゆるですね!】
「サンキューミレーナ! しっかしよく聞こえんな……今度はよく耳垢ほじってくるか……」
【次回もするつもりかこの人!?】
「そりゃ言葉の綾ってやつだ!」
魔王が前衛的なポーズで苦労しながら言い返していると、突如隣の控室から、「キーーーーッ!」という、黒板を引っ搔いた時の数百倍も甲高い金属音のような奇声が鼓膜をつんざいた。
「ギョエエエエエエーッ!」
【な、何だ一体!?】
「これは……化鳥の怪音?」
最もダメージを受けたのは当然のごとく一番壁際にいた魔王で、両耳に両手を押し当て、ひっくり返って起き上がれない亀みたいに無様にもがいていた。
「ハッハッハッ、見事罠に引っかかったガオ、魔王様! どうせ盗み聞きとかこすっからい真似をするだろうと思ったので、わざと先に控え室に入ったガオ! これでしばらく耳は使い物にならないガオ!」
壁の向こうからメディットの高らかな笑い声が、勝利の雄叫びのごとくこだまする。すげえ、完全にあっちの手のひらの上だ。
【敵もさる者ですね。勝負は戦う前からすでに始まっていたってやつですか……】
「耳がああああああ!」
【しかし何故メディットさんは至近距離であの超音波攻撃をくらっても無事だったんですかね?】
「耳がああああああ!」
魔王は僕のつぶやきなど何一つ聞こえない様子で、ひたすら沖縄の豚耳料理の名前を叫び続けている。
「おそらく耳栓をしていたんだと思いますよ。ほら、先ほど指でスライムをいじっていたじゃないですか。あれを使ったんでしょう」
【あれって例の偽おっぱいの中身だったの!?】
驚いた僕に、ミレーナは凄く嫌そうな顔で、「ええ」とだけ答えた。




