第36話 セイレーンの寝所 その3〜可憐なおっぱいの先っちょに吸い付きたい!〜
きっかり30秒後。
「むむむむ無理ですー! たたたた他人にそんなの見せるなんてー!」
鼓膜をつんざく様な甲高いがいい声の絶叫が、ドーム状の室内を揺るがした。
【で、でも、まず見て見ないことには何だかわかりませんよ! それに危険な病気かもしれないから、急いで調べた方がいいと思います!】
「うう……た、確かに……」
というわけでその後三十分間に及ぶ僕の決死の説得の甲斐あって、ようやく敵将は兜を脱ぎ、天岩戸は開かれることと相成った。
「ででででも、すっごく恥ずかしいから、ちょっとだけにしてください……」
ようやくコミュニケーションにも慣れて来たのか最初ほどつっかえずつぶやきながら、彼女は鉤爪を引っ掛けて、少しずつ上着を下ろしていく。
【わかりました。すぐ終わりますよ】
僕は真摯な気持ちで……というと嘘が入るので若干期待も込めながら、彼女の胸元に視線を注いだ。リプルの胸は今まで目にした魔王やミレーナやメディットほどの破壊力のある大きさではないが、それでも元いた世界なら充分巨乳の範疇で通るボリュームで、朱色の服からはちきれんばかりに頭を覗かせていた。
「どど、どう、ぞ……」
はらりというかすかな布が擦れ合う音と共に、ついにご本尊が、否、乳頭が姿を現した。可憐で清楚な両乳首は、春を迎える前の花の蕾のようにツンと上を向いており、思わず吸い付きたくなるほどであった。俗に遊んでいる女性の乳首は黒くなると言うがそんなことは決してなく、あれは生まれ持ったメラニン色素などの違いに寄るので、乳首の黒い処女もいれば、ピンク色のビッチ(失礼)もいるという。そんな豆知識は置いておくとしても、彼女の乳首は左右共に非常に綺麗な淡い桜色をしていた。
【おお……】
つい、感嘆の声をこっそり漏らしてしまう。だがこれはあくまで診察だ。決していかがわしい気持ちで見ているのではない!(強調)僕は医者の眼差しで二つの丘の頂点を観察する。確かに彼女の言う通り、右側の乳頭からのみ少量の血液に似た液体が滴っていた。
【これは間違いなく血性乳汁分泌ですね。となると鑑別診断が必要ですが……うーむ】
巨乳を前にして、再び思案投首する。そのためにはとある物質が必要なのだが、そんな物この世界にあるのか?




