第31話 錬金術師の部屋にて その8〜爆乳スフィンクスのおっぱいを揉みたい!〜
なんと眼前に突き出されたのは彼女の真っ平らな白い腹部で、二列に並んだ四つの小さなポッチが付いていた。これってひょっとして……!
「これは紛れも無いボクのおっぱいだガオ! ただし下半身のライオンの方のだガオ! さあ、存分にパカパカするがいいガオ!」
【ひでえええええ! あんまりだああああ! おっぱい詐欺だよママー!】
「人聞きの悪いことを言うなガオ! 嘘はついていないガオ!」
【うがあああああ!】
クソスフィンクスの弁明にもかかわらず、僕の絶望の雄叫びが錬金術中の小道具を震わせた。
「さて早速だが、作戦参謀として一つ任務があるガオ!」
【に、任務ですか? 良いですけど……】
ライオンの乳房揉みを速やかに拒否した後、急に仕事を言い渡される流れになったので、ちょっと怖気付きそうになったが、どうせいつかはやらねばならないのだから、僕はメディットの揉めなかった爆乳を恨めしげに見つめつつも受けて立つことにした。
「実は現魔王のオドメールの野郎が、この城の中にスパイを放ったという情報があるガオ! 魔王様だけには報告済みだが、君に其奴を発見してもらいたいガオ!」
【ええええええええっ!? そんなの無理に決まってますよ!】
思いもかけぬ高難度のミッションに、言ったそばから僕はけつをまくってとんずらこきたくなってきた。
「そうかガオ? むしろボクは適任だと思うガオ。何故なら君はこれから城中の者たちのおっぱい検査を行うことが想定されるので文字通り全員と触れ合う機会があるガオ。余所者の君ならわかることも多いだろうし、おっぱいをほぐすついでに心をほぐして本音を引き出せば良いガオ!」
【なんか上手いこと言ったみたいな顔しないでください! それにどう見てもあの松ぼっくり野郎とかは無理ですよ!】
「むぅ、確かにつむじ曲がりでへそ曲がりの彼女の相手は骨が折れそうだガオ。でもまあ君も置物同士ってことでひょっとしたらウマが合うかもしれないガオ!」
【だから上手いこと言ってまとめんなって!】
僕らがコント状態の言い合いをしている真っ最中に、コンコンというノックの音が入り口から響いてきた。




