第25話 錬金術師の部屋にて その2〜おっぱい豊胸術の秘密〜
「そういえば君は、ボクがさっきのメイド長にミミックスライムを埋め込んだのを見破ったそうだけど、凄いじゃないガオ! 異世界人の君がどうやって気づいたんだガオ?」
【どうやってって……まあ、大したことじゃないんですけど……】
近づく2つの特大クレオパトラメロンのせいで目の、ていうかレンズのやり場に困りながらも、僕はなんとか昨晩の騒動の一部始終についてかいつまんで説明した。僕の側の椅子に座り込んだメディットは、フンフンとうなづき、時には合いの手を入れながらも真剣に聞いてくれた。お陰で興に乗ってちょっとばかり話を盛ってしまったかもしれないが、まあ良しとしよう。偽乳だけに盛っても構うものか!(暴論)
「ほう、それは見事だガオ! さすが異世界の技術は驚異的かつ神秘的だガオ! しかもそんな大胆な手段であの鉄壁のガードを誇るミレーナを陥落するなんて! 天才だガオ!」
【いやあ、それほどのものでも……】
紅い双眸を爛々と輝かせながらメディットが僕を褒め称えるため、なんか身体中がむず痒くなってくる気がした。錆でも生じたか?
「しかしあのスライムはボクが改良に改良を重ねた優れもので、ようやく実用に値すると判断した自信作だったけど、まだまだ改良の余地があるガオ……とても参考になったガオ!」
【ひょっとしてアレを体内に埋め込む手術をしたのもあなたなんですか?】
僕はこの際だと思ってちょっと引っかかっていたことを尋ねた。
「よくぞ聞いてくれたガオ! あれには苦労したガオ! 様々な動物実験の結果、昏睡魔法で眠らせた後、特殊な器具でわずかに切開し、そこから徐々にスライムを潜り込ませた後、治癒魔法で傷口を塞ぐ手法が最も有効だと判明したガオ! 奥の部屋に巨乳化したモンスターを入れた檻や標本があるけど見たいガオ?」
【いえ、結構です……】
そんなおっぱいを生やしたペガサスやドラゴンやマンティコアやミノタウロスなんぞを見たらただでさえ最近不安定な精神があっちのゾーンに突入してしまいそうになるので、僕はやんわりとお断りした。
【あっ、でもそういえば、僕の世界でもシリコンバックの実験台には雌犬が使われたそうですよ。結果は成功だったんですが、そいつは巨乳が気に食わず、噛み破ってバッグを外に出してしまったそうです】
「キャハハハ、君ってやつは本当におっぱいに関して詳しいガオ!」
美人さんは側の机をバンバン叩いて美人にあるまじき笑い方をした。




