第144話 おっぱい大覚醒! その12
『確かにあなたの協力によって魔王の修練度は高まったとも言えますし、その頑張りに報いて差し上げるのも造物主としての勤めでしょう。いいですよ、一回だけなら。出来るだけ優しくしてくださいね。とりあえず再検査という形で良いですか?』
【はいいいいい! 全身全霊をもって優しくしますぅ!】
僕はまるで尻尾を振りまくってよだれを垂らさんばかりの犬そのものだった。
「き……奇跡が起きたガオ! てか、何考えているガオ、あいつ!?」
「前々から思っていましたが、無茶苦茶ですが一本筋の通った変態ですね、彼は」
「いいいいい意味がよくわからないです……」
相変わらず背後の聴衆どもがやかましかったが、僕は一切合切を無視して、魔神の気が変わらぬうちにと、そろりそろりと自力で彼女に近づいていった。高ぶる心を抑えながら、自分で自分に言い聞かせる。これは最初で最後のチャンスだ。この機を逃しては、もう勝ち目はない。慎重かつ大胆に行け!そして揉め、おっぱいを!
『右か左か、どちらからいきますか?』
まるでAセットかBセットかのように聞いてくる。もうとっくに決めてある。
【是非、左でお願いします!】
『わかりました。でも少し恥ずかしいので、乳首は魔霧で隠しますね』
【どーぞどーぞ、御随意に】
いつの間にやら下着姿になっていた魔神が、冗談みたいにでかいブラを慎重に外すと、そこには頂上から白い噴煙が上がった二つの山がどっしりと鎮座していた。どうやらあの湯気を魔霧というらしい。思わず舌なめずりしたくなる絶景だったが、残念ながら今はそれどころではない。
僕は意を決すと、一回り大きくなった左の乳房をすでにスタンバイ状態のマイアクリル板に乗せるよう魔神に指示し、そっと上の板をスライドさせていく。その甘美な触感に負けず、雑念を振り払って痛いくらいに全身の感覚を研ぎ澄ませる。いよいよ世界の命運がかかったおっぱい揉み揉みが行われるのだ。おっぱいは世界を救う!
【では、始めます! 動かないで、リラックスしてください!】
『はい、わかりました』
運命の瞬間が訪れる時計の針が重なるように、徐々に二つのアクリル板が迫っていく。前回よりもおっぱいが成長したせいか、はみ出し具合が半端じゃない。かなりの圧力がかかっているはずだが、魔神は通常時となんら変わらず、どこ吹く風といった様子でなんか悔しい。おっぱいおっぱい!