第14話 爆乳おっぱいだらけの魔王軍四天王 その1
「おーい、おーい、聞こえるかー!?」
どこか遠くから先輩の声が呼びかけている。幻覚ならもうこれ以上僕の心を引っ掻き回さないで欲しいものだ。僕はだんまりを決め込んだ。
「おーい、聞こえていたら返事しろー!」
いい加減しつこい幻聴だ。無視するのも疲れてきて、僕は馬鹿馬鹿しいとは思いつつも、つい答えてしまった。
【うるさいなあ、どうせあなたのおっぱい揉ませるつもりなんかないくせに……童貞をからかわないでくださいよ】
「なんだ、そんなに我の胸も揉みたかったのか、このドスケベ白箱作戦参謀め。昨日のダークエルフの偽乳ごときではおっぱいのうちに入らないってか? まあ、また後日機会があれば許可してやろうぞ。本日は何かと用があるものでな」
【我……!?】
違う、これは先輩じゃない!
気がつくと同時に夢幻とうつつの間をさまよっていた僕の意識は再び玉座の隣に設置された白い箱型のボディに舞い戻っていた。どうやら機械の身体でも夢はばっちり見るようだ。
「おっ、ようやくしゃっきり目覚めたか、お早う、ムネスケ! 清々しい気持ちの良い朝だな!」
【魔王……!? どうしたんですか、そんな格好して……!?】
目の前には純白のマントを羽織り、同色の華麗なドレスをまとった魔王その人の麗しい立ち姿があった。高窓から差し込む日の光の下では、その美しさは輝かんばかりで、生きた宝石のようだった。
「そんな格好と言われても、これが我の魔王としての正装だぞ。なんじゃ、昨日のネグリジェ姿の方が好みであったか?」
【そそそそういうつもりで言ったんじゃないですよ! まあ、とてもお似合いですけど】
「ハハ、そうかそうか、似合うか。では、昨晩約束した通り、今から我が魔王軍の精鋭である四天王を紹介するから、そこで見ておるがよいぞ」
そういうと魔王はくるりと向きを変えて階段の下に控える人影に向かって芝居掛かった仕草で右手を指し示した。今まで魔王に塞がれてよく見えなかったが、どうやら横一列に4名の人物が立ち並んでいる様子だ。しかし……
【え、えええええええええーっ!?】
早速僕は朝一番から絶叫をかましてしまった。人影のうち、向かって右端はよく見知った赤毛のメイドことミレーナであるから良いとして、隣は金髪の爆乳美女だが、なんと下半身はライオンであり、金毛に覆われていた。更にその左は緑色の髪の毛をした巨乳美少女だが手の先に鳥の翼を広げており、その両脚はそれぞれが背鰭と胸鰭に棘の生えた魚の頭で、器用に使って直立していた。どこかで見たことのある魚だが、確か、味噌汁にすると美味いってやつだったかな? そして一番左端は……
【松ぼっくりいいいいいいい!?】
そう、どう見ても人間を上回る大きさの巨大な松ぼっくりがズドンと石畳の上に居座っているのだった。