第130話 暴かれたおっぱい その12
【つまり、僕たちのすべきことは、今から魔王を連れ戻して、即乳癌の切除手術を受けさせることです。そうすれば金泥病はこの世から消え去り、無実が証明されて今までの誤解も解け、晴れて元の王位に復権できるでしょう……まあ、全て上手くいったとしてですが】
さすがに最後はちょっと自信喪失気味に小声になってしまった。でも、まあこれが最大限の僕の虚勢だった。
「「「……」」」
反応はいかに、と見れば三人とも思案顔をして、じっくり考え込んでいる。まあ、信じる信じないはそれぞれの勝手だし、無理強いは出来ないだろう。何しろ今回の作戦は命がけのものになると予想できる。既に城外で爆発のような音が何度も上がっているのだから。おそらく魔王は敵の大群と単騎で交戦中なのだろう。どうやって実行すればいいのか、自分でもまだ良い案が浮かんでこない状態だ。
「……ボクはその話に乗るガオ! 何しろ自分の命がかかっているし、魔王様には恩があるガオ!」
なんと真っ先に裏切り者の腐れスフィンクスが手を挙げた。これには皆驚き、目を丸くしていた。
「ちょっと話についていけなくて迷ってましたが私も賛同します。ですが、あなたはてっきり断るかと思っていましたよ、メディット。だって魔王様が敵軍に殺されたとしても、あなたの病気は治るわけでしょう?」
「それを言ったらそうだけど、あれくらいの軍勢で魔王様がやられる可能性は低いと思うガオ。それに彼女のお蔭でいろんな実験をさせてもらえたのは確かだし、個人的にはとても好きなんだガオ……ちょっと恥ずかしいガオ!」
いつもにやけ顔のガオガオ野郎が珍しく照れた表情を浮かべる。やっぱ美人だわこの人。
「ああああああたしも一緒に戦います!たたたた頼りないかもしれませんが……」
【そんなことないですよ。リプルさんが充分強いのはわかっています。では、皆さん、共に頑張りましょう!】
「「「オーッ!」」」
いつの間にやら円陣を組んでいた三人は鬨の声を上げ、僕はその中心に挟まれ、なんかとっても柔らかくて気持ちよかった。おっぱいおっぱいおっぱい! だが、いつまでも余韻に浸っているわけにはいかない! てか、本当にどうすれバインダー!? 助けてママン!