第125話 暴かれたおっぱい その7
【どうやってレミッチから初乳を入手したかといいますと、この前のリプルさんのチクニー出血事件じゃなかった血性乳汁漏出事件のおかげなんです】
なんか僕の隣で、「ひぎいいいいっ!」という小さい悲鳴が上がった気がしたが、僕は聞かなかったことにして続けた。
【あの時存分に猫娘メイド四姉妹の次女のキムリアさんにリプルさんの乳首をズボズボさせてあげた……もとい、造影剤を注入させるために乳管拡張させてあげたので、そのお礼に一番仲の良い姉のレミッチさんに無理に頼んで初乳を取っておいてもらった、というわけなんですよ】
「な、なるほど……つまり先約があったのでこっちには譲れなかったわけだったのガオ! ガオオオオオーン!」
せっかく足踏み拘束を解かれて立ち上がったばかりだというのに、メディットはがっくりと両膝をついて血の涙を流しながら嗚咽した。よっぽど悔しかったのだろう。
【まあまあ、そう落ち込まないでください。これはもしもメディットさんがこちらの説得に応じなかった場合の切り札として用意しておいたものですから、欲しければいくらでも差し上げますよ】
「本当かガオ!? 君はやっぱりボクの心の友だガオ!」
どこぞのガキ大将のような台詞を吐きながら、さっき泣いたばかりのカラスじゃなくてスフィンクスがもう僕に抱きついてきた。てか半裸だってこと忘れてないか、こいつ?
「とりあえず服を着てください。しかしまたいつからスパイになんてなったんですか?」
まだ腹に据えかねており憤懣やる方ないといった表情のミレーナが、僕から魔獣を引き剥がして肩にギリギリと手をかけながら詰問する。怖い!
「実は皆揃ってこちらの城に幽閉される前日、ボクの元をカヌマが訪れたんだガオ。『この度新たな魔王にご就任あそばされたオドメール様は魔力感知などが得意なため、お主が金泥病を患っていることなぞとっくにご承知じゃ。わしは、やっと追放できたとはいえエリキュースのことを、また王位に返り咲こうとしないか非常に警戒しておる。金泥病の根治のためにエリキュースが邪魔なお主とは利害が一致すると思うが、これからお主が密かにわしの手足となって働いてくれんか? さすれば任務完了後にはこちらの幹部として再雇用を検討してやっても良いぞ』なんて言ったんだガオ!」
メディットはババアのねちっこい話し方を真似て会話を再現してくれた。