第123話 暴かれたおっぱい その5
「強制発動・スフィンクスの謎かけ! ガオオオオオーン!」
その文言と共に、メディットの上空に大きく口を開けた獅子のごとき猛獣の頭部が浮かび上がる。途端に僕とミレーナは自由に動けなくなった。しまった、口をふさいでおくべきだった!
「ある時三人の人が好きなおっぱいについて論争していました。『俺はお椀のような形のおっぱいがいいな』と巨乳好きのAさんが言い、『私はひょうたん型が好みですな』と奇乳好きのBさんが言い、『二人とも贅沢だなあ。僕は柔らかければそれでいいや』とCさんが言いました。何故か?」
【結局またおっぱい問題かよ! 好きだなおい!】
「突っ込んでいる場合ではないですよ、白箱! ちなみに私はこの手の考える系は苦手なので、柵前参謀殿にお任せします。間違えたら廃棄処分にしますよ!」
【人任せのくせにひどすぎる!】
文句を垂れつつも、僕の脳裏は久々に目まぐるしく動き、神経というか電気回路が最大限に活性化する。それならばこちらの専門分野だ。えーっと、自分の好みのおっぱいはどっちかというと爆乳よりで……ってそうじゃない!
「どうしたガオ? もう降参かガオ?」
【ちょっと考えているだけです! もうちょっと待って!】
僕は今まで出会ってきた様々なおっぱいたちを思い描く。魔王の桃源郷のように素晴らしい爆乳おっぱいや、ミレーナのでかいがやや形に不自然さがある偽乳おっぱいや、リプルのつきたての餅のように柔らかおっぱい……ん?
【わかった! 謎は全て解けた! ジッチャンのナニかけて! 答えは『いろんな形になるから』だ!】
「こ、この難問をあっさりと解くとは……恐るべしガオ、白箱くん! グバァッ!」
自慢のおっぱい謎謎を正解された哀れなスフィンクスは、その代償として自らが呼び出した幻獣に噛まれ、ダメージを負った。
「いい加減あきらめろ! これ以上無駄な抵抗をするな!」
「か、かくなる上は、モーラスの死の彷徨を元に作成したこの試作型爆弾で、皆一緒にあの世にいくガオ!」
なんとメディットは身体中ボロボロになりながらも、パンツの隙間から茶色いものを取り出す。
【そ、それは……!?】
「や、やめなさい、メディット!」
僕とミレーナは同時に凍りつく。それは小さな松ぼっくりだった。