6.チョコちゃんが発狂しそう…
あれから特別寝ないまま日が沈んでまた登り、約1日が経ってまたボクとこたろう君がメインで狩りをしてあのぐちゃぐちゃの生き物をこたろう君が食べたり、うさぎみたいな生き物をボクとこたろう君で食べたりして、狩りをした事で毛にぐちょぐちょの粘液やら動物の血がちょっとついちゃっているのだけど……
『も、もう限界よ‼︎ブラッシングどころかシャワーも普通の餌もおしゃれなお洋服も何も無いなんて限界ですわ‼︎せめてこの汚い体を丸洗いしたいわ‼︎‼︎‼︎』
『チョコ貴様キャンキャンうるせぇぞ‼︎俺様達は今野良犬も同然なんだからそんなもんあるわけねぇだろ‼︎』
『こたろう君…ボクもこんなに汚れる事ないから流石に毛が固まってるのは気持ち悪いよ〜…』
『あぁ?このぐらい俺様の家だったらガキ共のよだれや鼻水で割としょっちゅうだよ』
まぁボク達の飼い主は全員別だし、育った環境も違うから感性がだいぶ違うらしい。
実際こたろう君は汚れても関係無しでプライドが高いけどなんだかんだ面倒見が良いし、餓死するぐらいならぐちゃぐちゃゲテモノも食べれるけど、チョコちゃんは正反対で汚れるのが嫌いでゲテモノも駄目らしい。
ボクはあんまりぐちゃぐちゃしてなかったら多少は食べれるけど、こたろう君程何でもは食べないし、チョコちゃん程綺麗好きじゃないけどベタベタしたりする程汚れたら不快に思うぐらいだよ。
『こたろう君ってなんだかんだ面倒見がいいんだね〜?』
『別に群れでも子育ては群れ全体でやるだろう?俺様も飼い主達に頼まれたら家族の面倒ぐらいは見てやるよ』
『それでもあたしはもうこんなに体が汚れてることが限界よ‼︎‼︎こたろうは分からなくてもくーすけは分かるわよね⁈⁈毛が固まるのは気持ち悪いんでしょう⁈⁈⁈』
チョコちゃんはボクの方に怖い顔になった状態で睨んできて、ボクは怖くて耳を伏せて答えるしかなかった。女の子ってこわ〜い…
『う、うん…流石にここまで汚れたらちょっと気持ち悪いかな〜?』
『そうよね‼︎くーすけもそう思うよね‼︎‼︎さぁこの体を動かす主導権はあなたにあるのですから水場を探して水浴びで最低限の汚れだけでも洗いましょう‼︎‼︎そうと決まれば善は急げよ‼︎‼︎』
『うわわ⁈チョコちゃん待って⁈ボクが動かすんだよね⁈チョコちゃんも動こうとしてるせいでうまく動かせないよ〜‼︎』
『落ち着け⁈変に暴れても最初みてぇにジタバタするだけだぜ⁈』
ボク達はチョコちゃんに振り回されるような感じで森の中を、木にぶつかったり転んだりしながら川を見つけてチョコちゃんが満足するまで水浴びで汚れを落とすまで続くのだった。
『くそ……これだから俺様は水に濡れるのは嫌いなんだよ…』
『あら?こたろうはもしかしてお風呂が怖いのかしら?』
『そ、そそそ、そんなんじゃねぇよ⁈俺様に怖いものなんて無い!水はちょっと………好きじゃねぇだけだ‼︎』
『まぁまぁ2匹共、それよりもこの濡れた体をどうやって乾かすの〜?このまままた森の中を移動したらまた汚れるよ?』
『あっ…』
『考えてなかったのかよ……その辺の岩場の上なら今日は天気いいみてぇだし、寝てれば勝手に乾くだろ』
どうやらチョコちゃんはここから後どうするか考えてなかったみたいで、ボク達は川から上がったところで体をブルブルして水気を飛ばした後、こたろう君の提案通りに天気のいい中自然乾燥のために太陽で温かくなった岩の上で一眠りするのだった。